12年間もの間、追い続けた3人の若者の姿。爽快感あるスケートボードのシーンとは裏腹にリアルな若者の悩み、そして、各家族間の関係について赤裸々に撮影された内容の濃いドキュメンタリー映像となっている。「mids 90s ミッドナインティーズ」に似ているが、社会問題についての掘り下げ方が今作の方が深く、個人的には好みだった。
主に3人の若者に焦点を当てているが、全員人種が違うというのは注目すべき点だった。あるワンシーンで仲間たちで人種間の差別の問題について話し合うところがあるが、ドキュメンタリー的である自然な会話がなされていて興味深い。
そして、この映画の大きなトピックはDVだと思う。実際、3人はそれぞれDVを受けた経験があり、その当時の心中を吐露する場面も多い。映像として残すことで、それがまるで薬のような効果を果たしたり、自分の気持ちを整理する上で活用したりもあったようだ。
それでも解決に向かわなかった問題もあり、厳しい現実を見せつけられているような気もした。
希望を持てない日々が続いていくことが暗示されているようだったが、これからも人生は続いていく。この作品の登場人物たちは新しい挑戦か、現状維持かを選択し、また違うそれぞれの人生を生きている。
