行き止まりの世界に生まれての作品情報・感想・評価

上映館(21館)

行き止まりの世界に生まれて2018年製作の映画)

Minding the Gap

上映日:2020年09月04日

製作国:

上映時間:93分

あらすじ

「行き止まりの世界に生まれて」に投稿された感想・評価

かんた

かんたの感想・評価

4.0
256作品目
映画館鑑賞87作品目
メラ

メラの感想・評価

4.6
【枯渇した家族愛の裏側は永続する警告を発する一作】
ロックフォードのスケート仲間の少年たちが大人になる姿をドキュメントし続けたドキュメンタリー映画。

今年はドキュメンタリー映画が良作揃いですが、本作もその例に漏れない良作でした。
家族以外の場所でやりがいを持つ自分にとって、大人になる過程で共感できるポイントも多くて何回も涙ぐみました…凄く良い映画です。

本作は前半のスケート仲間たちの自由さ・青春さを受けてから、中盤の「大人になること」への問題・後悔を通じて一つの真実へ向かうストーリーラインも秀逸ですが、若くして子供を持つザックをメインに物語が展開されます。
キャスト兼監督のビンがドキュメントし続けたのもあって、体格・面構えが徐々に大人っぽくなるのも見どころですが一貫して「欠けた家族愛の裏側」「不器用な家族愛が齎す悪影響」が秀逸でした。
ロックフォードはアメリカの中でも治安が特に悪い都市で、グローバル化に伴う失業問題とそれに伴うDVが問題になっています。
そしてその問題から抜け出すことは容易ではなく、人格形成にも影響を及ぼす大きな問題であることを伝える「親の影響」に共感しました。

でも本作が見事なのはドキュメントで事実を述べ続けるだけでなく、ドキュメントで前へ向かう・負の連鎖を断ち切ろうと進むビンの存在だと思います。
映画前半にスケートするシーンがふんだんに盛り込まれているのも本作の特徴ですが映画の開幕も締めもスケートしています。
しかし映画の展開・ドキュメントし続けたキアー・ザックを通じると印象もガラっと変わって、そこが素晴らしいです。
改めてカメラが持つ力の凄さを感じる良い映画でした。

本作が初監督作品のビン・リュー氏はスパイク・リー氏・ウォシャウスキー姉妹の作品にも携わりドキュメンタリー作家として注目が高いです。今後の彼の活躍に期待したいですね。
chiro

chiroの感想・評価

-
いまんとこ今年一番
野田

野田の感想・評価

3.5
スケートボードをやる人から勧められてみたけど、ドキュメンタリーだから嘘がなくリアルで最後はほっとした。
sonokomaru

sonokomaruの感想・評価

3.7
2020/10/14 新宿シネマカリテ
舞台となるイリノイ州ロックフォードは、ラストベルトに位置する。
そこで生まれ、暮らす3人のタイプが異なる若者を追うドキュメンタリー。
ラストベルトといえば、白人労働者が多く働いていた場所で、2016年のアメリカ大統領選挙では、アメリカの製造業復活を叫ぶトランプさんを熱狂的に支持した地域だったのを思い出す。
3人の悲しい過去や悔しさ、怒り、悩みを描く中で、貧困や人種差別、暴力、労働問題など、アメリカが抱える課題を示す作品。
baron0824

baron0824の感想・評価

4.0
3人のスケーター少年たちの12年間の物語。スケボーで疾走するシーンが、ただただ気持ち良い。つらい現実から逃げて、仲間と過ごす時間には等身大の笑顔もあって。12年という長い年月の中で、だんだんと大人に近付く彼らの生き方は、良いこと悪いこと全て引っくるめて本当のリアルだった。このドキュメンタリー映画には、観る人に勇気を与えてくれる。あと、ビンの母親へのインタビューシーン、苦しみながらも覚悟を持って真っ直ぐに見つめる目が印象的だった。
YUI

YUIの感想・評価

4.1
自分の生まれた環境に絶望を抱きながらも、「自分で選択した人生なんだ」って言えるのすごい。必死に生きる理由を彼らに教わった。
人を愛すること。そして人を許すこと。
ひなよ

ひなよの感想・評価

4.7
監督もこの映画に登場人物として出演しとるわけで!!自分の中のもやもやをこうやって表現して、供養っていうか、その苦しさだとかを昇華しよって、「映画」の役割というか可能性に、また本編で感じた感動とは違った感動を感じた!!!!映画館で観れて良かった。
ストーリーは彼らの人生だから、わたしがどうこう言うのは違うかな。みんな未来に希望があって最後、うれしかった。
フィクションよりもドラマチックなドキュメンタリー映画。ちょっとした傑作。

イリノイ州ロックフォードの3人のスケートボーダーを通してアメリカの現実を明るみへと引きずり出すノンフィクション映画。キアー、ザック、そして本作の監督でもあるビンの、それぞれの置かれた状況がまさに「アメリカの現実」。
ところが本作はドキュメンタリーであり、3人はたまたま友人で、ビンが早くから撮り溜めていた映像が多く使われていたりする。物語を創作したわけでもなく、脚本があるわけでもないのに、たまたま友人だった3人が三者三様の「アメリカの現実」にぶち当たるという偶然からしてありえない。
簡単に言えば、(言い方は悪いが)映画のネタとしてピッタリすぎる3人がたまたま友人だったのは本作にとって幸運すぎやしないか、ということだ。もしもビンがカメラを手にしてなければ、この「アメリカの現実」は埋もれてしまっていたのだから。

なぜ妻に暴力を振るうのか、という問いに対して、「もしバカな女がクソなことをやろうとしていたら、暴力はよくないが、でもそれは仕方ないだろ」という酔っ払いの回答が哀しくもリアルであった。特に間に「暴力はよくないが」と挟むところとか。そうやって人は自らの行為を正当化していくんだな…。
ビンが母親に問い質すシーンもリアリティ・ショーなんてレベルではなく、母親は俳優なんじゃないかと思うほど真に迫っていた。
そして、他の問題も母とビンの問題も、実は「アメリカの現実」としてひとつながりになっている。

フィクション作品で描かれる人同士の軋轢とは、本当に現実を切り取っていたし、それらは特別珍しいケースでもなかったのだな、と思う。
そしてこんなフィクショナブルなドキュメンタリーが市民の中から出てくるということが、アメリカの映画産業・映画文化が国民に浸透しているということの証左でもある。
まみ

まみの感想・評価

3.5
生きる苦しさや喜び、難しさ。それぞれにそれぞれの問題や悩みがあって、それに向き合うも向き合わないもその人の人生なんだと感じた。

今自分が過ごしている人生では交わらないような、人の人生を覗き見した気分。
>|