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世にも怪奇な物語のsmithmouseのレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
3.4
「恐怖と宿命はいつの世にもある。それゆえ私が語る物語に日付は必要ない。」
エドガー・アラン・ポーの小説をオムニバス形式で3人の監督が思い思いに描きなおす。
当初はここにウェルズ、ヴィスコンティの両監督も加わる筈だったとの事。ホンマかいな?

「黒馬の哭く館」byヴァディム
ジェーンとピーターのフォンダ姉弟を片思いの2人に配役した、殺してしまった黒馬の幻に悩まされる我儘お嬢の話。

「影を殺した男」byルイ・マル
イケメンのアラン・ドロンが美女ブリジット・バルドーを鞭打つエロいシーンの見られる自分の分身の様なモノに追い掛けられる男の話。

「悪魔の首飾り」byフェリーニ
アルコール依存性で落ち目の俳優が聖書が題材の西部劇の撮影の為ローマにくるがアルコールと悪魔の影に悩まされる話。
これはホント凄面白かった。
無国籍で妖しい極彩色のローマの風景とどこまでも気味の悪い登場人物のブレンドはクセになる。
ファッションも凄まじく洗礼された「モード」といった感じで「ホラー」という1つのジャンルに収まらないスケール。
最後のフェラーリでかっ飛ばすシーンも悪夢っぽくイカれてて好き。悪魔怖可愛いし。
他2作も面白かったけど原作を消化しきって別の形に昇華した「悪魔の首飾り」が一番のお気に入り。

サングラスかけたオッサンといつものテーマが出てきそうで出てこない一風変わった贅沢過ぎるホラー映画。
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