ねこ無双

世にも怪奇な物語のねこ無双のレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
4.5
ホラー映画とは思えない巨匠の面々です。
エドガー・アラン・ポーが原作のホラーオムニバス3編。
どれもタイトル通り怪奇に満ちた幻想世界を描いていて、うっとりさせてもらいました!
オムニバスにつき長尺レビューすみません🙇‍♀️(2月観賞)

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1 話目 黒馬の哭く館/ロジェ・バディム監督

お伽噺のような不思議さもあり、耽美的なムードもあり。

わがまま放題、豪奢な宴、色欲に溺れる伯爵令嬢。まさに酒池肉林。
逆らう者は誰一人としていないそんな彼女が恋したのは、自分の意に従わないただひとりの男。

ジェーン・フォンダが隙のない完璧な美女。
つーんと傲慢な雰囲気ぷんぷん。
身に纏ったドレスも美しい。ちょっとボンテージっぽいような、SFコスのような…
そして、
マントから覗く魅惑的な足!

古城や長閑な景色が美しい。
炎の中駆け抜ける黒馬にまたがる乙女。

ジェーン・フォンダ嬢が恋に落ちる相手を演ずるは、実弟ピーター・フォンダ。
もみ上げヘアのヒッピーの印象が強かった彼が、今作は禁欲的な雰囲気があり、まるで王子さまみたい。

特に起伏がある物語じゃないけど、ジェーン・フォンダも含め絵がゴージャスで、その映像にうっとり。

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2 話目 影を殺した男/ルイ・マル監督

アラン・ドロンが演じるのは、ぞっとするほど冷酷で悪魔みたいな男。
とってもサディスティック。
そこへぴったりと影のように付きまとう同姓同名、姿形も瓜二つのもう一人の男。
ドロンが悪事を働いていると必ず現れ、その行く手をはばむ。

そして、黒髪のバルドー!
う、美しい…。
金髪より黒髪の方がしっとり魅惑的で私は好きです。
鞭打ちされて悶絶してる美しい背中ヌードまで見せてくれる大サービス。痺れます。

序盤のモノクロから始まる映像素晴らしく、カラー世界へと。

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3話目 悪魔の首飾り/フェデリコ・フェリーニ監督

悪魔の導く幻想世界への旅。
おそらく後続に多大な影響与えまくりの映画。

混沌とした空港の絵図。
水面に映ると変わる人影。
空港から移動の車中から見える街並み、
疾走するフェラーリ車中から見える景色。
急ブレーキでライトに照らされる羊の群れ。
イタリアのオスカー授賞式ももやがかかっててまるで授賞式に見えない。
悪夢のパーティみたい。
衣装もどんなデザイナーが担当したのっていうくらい奇抜でゴージャス。

これは教えて頂いたんだけど、マイベストムービーの一つ、バーヴァの呪いの館にも影響を与えたっていうはねる手毬も。

そしてラスト。
まるで悪夢のような幻想的世界。
悪魔は少女の姿をして現れる。

フェリーニのパートは一番高い評価を受けてるみたいです。
でもなぜかこれを観ると、睡魔スイッチを押されそうになってしまう。
(ちゃんと最後まで観ましたよ)
なんでだろう…
それでも初めてフェリーニ作品に面白さを感じたので、私もそろそろ観返してみてもいい時期なのかもしれない。

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1話目がゴージャスでエロくて、何しろジェーン・フォンダ眼福で好きです。
でも、ストーリーとして面白かったのは断然2話目。
ぞっとする話でした。
アラン・ドロンがいけすかなくていい!
3話目は監督が見せてくれるイマジネーション溢れる映像にうっとりさせてもらいました。