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スウィング・キッズのdaiのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.8
まずは感想。

最高でした!

劇中、三回ほど涙しました。それぐらい入り込んでしまった作品。韓国映画、すごいですわ。

第二次世界大戦後の朝鮮半島。世界は民主主義のアメリカと共産主義のソ連によって分断される。敗戦国日本が有していた朝鮮半島はイデオロギーの下で、北朝鮮と大韓民国に分断され、朝鮮戦争という大国の代理戦争を強いられることになる。

舞台である巨済島は、北朝鮮人の捕虜収容の場として機能していた。そこを管理するアメリカ人の所長は、イメージアップのために、黒人下士官ジャクソンを呼び、ダンスチームを作るよう命じる。
朝鮮人民軍のロ・ギスは、北朝鮮側のリーダー的存在でありながら、ジャクソンのタップダンスに魅了される。
やがてジャクソンの開いたオーディションには四ヶ国語を使いこなすヤン・パンネ、中国人捕虜のシャオパン、妻を探すカン・ビョンサムと多文化的なメンバーが集結する。

イデオロギーで分断された朝鮮人に対し、肌の色で分断されたアメリカ人。しかし、ダンスになればそんなことは一切忘れられ、夢中になれる。

この映画は、世界から争いをなくすことができるのではないかといった一縷の望みと、だがしかし現実的に争いがなくなることはないのだろうという絶望を伝えているように感じた。

ファッキン、イデオロギー。

追記:
2021/08/11
2回目鑑賞
dai

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