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スウィング・キッズのOBのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.1
映画館での鑑賞復帰第一弾がこの作品でした。場所は渋谷のUPLINK。

座席数は50席位?(今はひとつおきしか座れませんが)画面サイズも150インチ位でしょうか。うちの映画部屋より当然大きいですが、あまり差を感じないレベル。

でもやっぱり映画館は良いですね。特にUPLINKはセンスが良く趣きがあって、映画を観るという高揚感を演出してくれる。

ミニシアターのこのような映画館ごとの個性は画一的なシネコンでは味わえない良さですね。やはり絶対に無くしてはいけない文化だと再認識。

で、この映画。

『サニー 永遠の仲間たち』のカン・ヒョンチョル監督作ということと、フィルマの皆様のレビューから私の大好きなあの曲がかかるらしいということを知り、どうしても観たかった作品。

1951年の朝鮮戦争時の捕虜収容所が舞台。というと私のオールタイムベスト1の『大脱走』を彷彿とさせていきなり好感。

前半はコメディタッチでいわゆるダメ男達が集まりチーム(今回はタップダンスチーム)を作っていくお話。メンバーのキャラも立っていて楽しく魅せていく。

しかしお話が後半に移り、この映画は戦争映画なんだということを、我々観ている側に突きつけてくる展開に。

ラストの展開はちょっと辛すぎるかな。日本映画ではここまでは出来ないでしょう。良くも悪くも韓国映画の凄さ。

映画全編を貫くタップダンスは本当に素晴らしい。特に本職のタップダンサーであるジャレッド・グライムスのステップは見事としか言いようがない。

音楽も50年代のスウィングジャズが全編に散りばめられ、時代の雰囲気を抜群に醸し出していた。

おや?この雰囲気のなかであの曲が本当にかかるのか? 違和感ないのか??
と心配になりましたが、、全くの杞憂でした。

あの曲をバックに流しての主役二人のダンスシーンは本作の白眉と言えるでしょう。

イデオロギーの違いから対立する国、民族、宗教等、様々な差別の壁を、若い二人がこの曲の力を借りてダンスで打ち破っていく。

イントロがかかっただけで、感動のあまり涙腺が緩んでしまいました。

しかし、D,BOWIEは名曲多すぎ。
『LIFE!』『GotG』『ジョジョラビ』...
そう言えば、本作のエンドロールもまさかのあの曲でした。

これから観る方はお楽しみに〜。
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