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スウィング・キッズの3Dメガネのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
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【information】
1951年 朝鮮戦争の真っ只中
この戦争は北朝鮮と韓国の間で行われた戦争でありながら
社会主義vs資本主義などとイデオロギーの
冷戦の要素まで加わり
中国とアメリカを含む代理戦争へと変化していく。
本作の舞台は韓国にある巨済島捕虜収容所。
韓国に位置する捕虜収容所で
朝鮮と中国の捕虜がここに囚われていた。
そしてその収容所を管理しているのが
アメリカ合衆国なのだ。
アメリカ自治の収容所で、世界に資本主義をアピールしたいと思った所長は
捕囚にダンスチームを組ませる。
タップダンスのチームを。

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【push】
国境を越えたアンサンブルと
戦争という時代の悲壮感が交差する展開が素晴らしい。
異国の人間関係がダンスを通して親密になり
平和に言葉はいらないことを示す。
同時に戦争の愚かさをも我々に提示する。
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【summary】
異人種のスポ根ものかと思いきや
テーマは非常に社会的。
国家間の争いは個人間の関係を歪める程の力はなく、より大きな共鳴というパワーによって塗り替えられていく。
アメリカと朝鮮、資本主義と社会主義。
同じ人間、異なるイデオロギー。
ダンスは国境とイデオロギーを乗り越え、
同じ方面へと目線を誘導する。
苦しい時代にも楽しみを見出し、
憎しみを忘れダンスに没頭する。
かつて国の英雄と称えられた1人の青年は
戦争相手を助けるまでに変貌する。
複雑な世界において単純な真理。
国やイデオロギーのしがらみがなければ
殺し合うようなことは考えもつかない。

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【point】
監督の前作『サニー 永遠の仲間達』で描いた過酷な時代情勢に左右されない友情
というテーマは一貫してるように思う。
どの時代でも、友情は不変である。
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