前作と並び細田守の最高傑作の一つだと思う。
OPの時点でそうなのだけど、日常生活や経済面で敵が起こす問題を的確に描写してヤバさをわからせる表現とか災害伝言ダイヤルを使った会話とか面白くも効果的な表現が目立っていて、尺が限られてる短編ならではのスマートな描写の数々は何度見ても唸る。
普通なら全員活躍させるであろうTV版の主要人物らも各々の用事で戦いに参加できないというシチュエーションも緊急性が感じられて良い。
独特なデジタル空間でのバトルも、そんな時間は長くないとはいえ火球のエフェクトとかカメラワークがイカしているから何度見ても痺れる。
ラストは展開も演出もベタベタなところが多いけど、それまでの過程が良かったからしっかり手に汗握る程に楽しめた。
TVシリーズの後日談という立ち位置ではあるものの、これ単体で見ても十分に楽しめるという点でも優秀な劇場版になっていた。
余談だけど、太一と空の中の人がお互いの母親も演じているってのがまるでど根性ガエルのピョン吉とドラえもんののび太(の関係ピョン吉=野比たま子、のび太=ひろしの母ちゃん)みたいで面白かった。