相変わらずモテて来なかった大人が本気で考えた中2男子の妄想ストーリーだしめっちゃ力技なんだけど、新海誠&RADWIMPSマジックのせいでとんでもなく瑞々しい。たとえ世界が終わったとしても好きな子が無事でいてくれさえすれば、世界中の人が誰も理解してくれなくても自分とその子だけが分かり合えていれば。結局好きなんだよ、そういう物語が。
まあでも自分自身20代も後半に入ってくると『君の名は。』も『天気の子』も結末の締め方には物足りなさを感じてくる。綺麗に終わり過ぎてるというかまぁ客層的にはそれで間違いなく正解なんだろうけど、もっとこう…突き放してくれ！ってなる。お前らは特別な人間ではないと。
主人公周りのキャラクターが年齢の割にしっかりし過ぎてる（と思ったらアホな行動もする）のはもう新海誠あるあるだな。中高生という年代が1番共感も得やすいしエモいのは分かるけど説得力に欠けてしまってるのは毎回惜しい要素だと思う。あと初っ端から帆高のナレーションがちょっとウルさいと思ってたけどそこは16歳という設定と雑誌のライターのアルバイトを経たという事で割と納得出来た。
個人的な好みは一旦置いておいたとしても程よいエロスを感じる描写の匙加減は天才的に上手いと毎度思う。この要素はヒットの原因の1つだと思う。『君の名は。』でいう口噛み酒だったり、今作の16歳でラブホテルに泊まるというシチュエーションだったり現実世界ではまぁ体験出来ないであろうロマンがある。中高生はこういうの大好きだろ。
