ヒロオさん

天気の子のヒロオさんのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.3
異常気象が続く東京。
家出少年と祈りで晴れを呼べる少女が出逢い、人知れず世界の危機に直面する話。

多数の幸せのためには、少数の犠牲は許されるのか。
誰かを犠牲にしてまわる世界へ問いかけている。

気候変動、社会格差といった現実的なテーマを内包しており、そのような課題を前に「現実は仕方ないよね」と納得する大人たちへ「NO!」と言える若者のピュアさに、監督は期待しているように感じた。

ただそのようなメッセージ性は抜きにして純粋に面白かったかというと、私的にはイマイチだった。

キャラクター、セリフ、ストーリーで所々見られる青くささについていけず、映画と距離を置いてしまった。

まず、キャラクターについて。
特に主人公がヒロインを好きな気持ちに立体感がなく、人間味を感じられない。
感情の機微の描き方が短絡的というか雑。ピュアさだけでゴリ押しするのはキツい。

そして、セリフについて。
ポエマー感がイタい。
例えば、「僕はなんて素敵な世界に生まれてきたんだろう、そう思えた。人の心は空に繋がっているんだと僕は初めて知った」とか… キャラクターの奥行きがないままポエマーかますのは、恥ずかしい。

後半の展開なんて強引で意味がわからないし。銃を出してくるのも謎。

ラストは賛否両論だが、ぶっ飛んでいて笑えたので私的にはOK。
ヒロオさん

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