あんへる

天気の子のあんへるのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
2.1
上映前の予告で「シン・エヴァ」の新特報が流れた。
来年6月公開だって。

改めて来年公開予定のアニメ映画にはずらりとビッグタイトルが並ぶ。個人的には嬉しい限りだ。

だが果たしてそこに「ヴァイエヴァ」は含まれているのだろうか…

気掛かりではあるけど、別に延期でもいい、いつか公開されることを気長に待っています。





あ、レビューします。

えっと、天気の子はですね、、率直に面白くなかったです。

でも映像美は流石です。安定の新海作品クオリティ
これだけでも劇場で観る価値は十分にあると思います。
都会のビル群や水滴や光、雲などの風景描写は息を呑む美麗さ。やはり何度見ても本当に素晴らしい。
あとSEなんかもリアルで良かったですね。

えー、以上です。
それ以外が壊滅的でした。


まずシナリオが酷すぎます。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、なんか超絶出来の悪いラノベでも読まされてる様な…そんな気分でしたね。

ラブファンタジーを描くにあたって、自分は世界観や設定の緻密さ、何よりSF的な要素の説得力ってとても重要だと考えてます。
そもそもこの作品にはその辺りの要素に何の魅力も興味も感じない。と言うよりそこを疎かにし過ぎている様に感じた。
その時点で自分の意識は物語から早々にフェードアウトしていきました。
大前提が崩れた以上、早い話がそこからは勝手にやってくれ状態ですね。もうどーでもええっすわ。w
その後例えどんなに御立派なストーリーが描かれようと、根底の薄っぺらさが露見してるのでとてもじゃないが感動なんて出来ない。少なくとも自分は。


あーなんかまた理屈っぽい悪口みたいになってきてんな…
これ以上はダラダラしたしょうもない長文になりそうなんで、あとは出来るだけ簡潔に纏めるよう努力します。


加えてキャラ描写に全く魅力が無く、登場人物には全然感情移入が出来ない。
申し訳ないけど、特に主人公の帆高くんは本当に好きになれない。これは致命的。

終盤の行動というか、展開には「は?」の連続でした。
若気の至りと言う理由だけじゃあまりにも身勝手で自己中心的過ぎる。正直ドン引きです。

前作の存在を引き合いに出す物言いは違うのかもしれないが、今作のメイン二人には瀧くんと三葉の様な観客との共感性や親和性の欠片も感じない。
え?監督の描きたかった事ってこんな独善的な愛の形だったの?「君の名は。」って何だったの?w


あとは気持ち悪いレベルのスポンサー様方の出張り具合いですね。
まぁ物凄ーく言い方悪いが、今や世間に金の生る木と認識された新海作品には避けられない現実なんですけど。
プロモーションの段階で薄々わかってはいたが、実際観てみたら想像の5倍増し位の酷さ。。

商業用アニメだし、大人の事情は付き物です。そういった諸々は理解してるつもりです。実際スポンサーあってこそってのも事実です。
でもそれにしても目に余る劇中の〈不純物〉の数々…
近年稀に見る酷さです。作品を壊しかねないレベルの宣伝は流石に考えものではないかと。
というか、もはや制作の段階にまで既に食い込んでるんじゃないか…?とまで思ってしまう程。

ついでに言うと、ここまで来るとRADも流石にもう余計なものと思えました。
前作はエモーショナルな作風や演出と主題歌がマッチしていて良かったと感じたんですが、今作では…まぁ色々アレなんで、自分はハマらなかったです。w
結局は「君の名は。」もそうなんだか、個人的には前作以上に今作は彼等のPV感が強かった様な気もします。



てか結局ダラダラのグダグタレビューじゃねぇか…()



今作を観てると、やっぱり新海監督って長編作るの苦手なのかな?とか思ってしまう。
そんな残念な出来の作品でした。

でも「君の名は。」以降、良くも悪くも監督を取り巻く環境が大きく変わってしまったんだろうなぁ…と。

今作で唯一『大人になりなよ』といったニュアンスの台詞が印象に残ってるが、
それも“守る”ものが増えると変化するのは容易では無くなるってことなのかな。
そう考えると、過去の新海作品が好きだった自分としては何処か寂しいものがあったりします。

個人的に少し不安ではあるが、新海監督には今後も“らしい”アニメ作りを期待してます。
あんへる

あんへる