スチールラグ

天気の子のスチールラグのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.5
僕の苦手ジャンルは、ホラーとスプラッターだ。
ホラーは「世にも奇妙な物語」の段階で既に怖い。
万一、見てしまった場合は、夜、風呂場で、目を開けたままシャンプーすることを覚悟しなければならない(怖くて目が閉じられないから)。
スプラッターは、自身がしょっちゅう怪我して流血しているくせに、血そのものが苦手で、医療関係者の方々には感謝と尊敬の念しかありません。
ただ、今までアニメを観ていなかったのは単なる食わず嫌いだと思われ、本作にチャレンジしてみました。

まず、映像の美しさにビックリ。水たまりに落ちる水滴や波紋がその表面張力まで表現されているかのように美しい。圧巻は打ち上げ花火のシーンで、球状に広がる花火をドローンから見ているような見せ方もすごいし、広がる火花や煙幕が精緻で美しい。技術的なことは全く分からないけれど、これを作った方達の情熱や努力や技術には頭が下がる。

こういったところに感動しながら、頭の片隅で全く別のことを考えていた。
「もし、物語の登場人物を生身の俳優が演じていたらどうだろう」
主人公が涙を流すシーンがある。うれしい涙、悔しい涙。それを、頭の中で志乃ちゃんのあの鼻ちょうちん涙と比べてみた。どちらもフィクションなのだけど、心を動かされるのは後者だ。悔しいという気持ちがガツンと伝わってくる。鼻ちょうちんはやりすぎだとは思うけれど、撮影当時彼女がまだ中学生だったことを考えると全力で演じた結果だと思う。
そうやって、考えると、俳優ってすごいなと改めて思う。僕は今まで演技というものをバカにしていた気がする。特に日本の俳優のそれを。「どうせ作り物だから」と。でも、今は、それに心動かされる自分がいる。

この半年、フィルマの皆さんのレビューを読ませていただいて、ジジイにしていろんな新しい発見をさせて頂いています。ありがとうございます。これからも色々教えてください。

追記
ホラーとスプラッターにチャレンジするのにはまだまだ時間がかかりそうです、、、

「天気の子」20190725MOVIXさいたま
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