Torichock

天気の子のTorichockのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
1.5
「天気の子」

".バーニラ、バニラ、バーニラ、バニラ、映画で宣伝、高収入♪"

冗談抜きでこういう映画。


よく言われてる、世界に誇る日本型アニメーションに対して、全てがそうではないけれど、常々懐疑心を持つ僕としては、前作の「君の名は。」のヒットに対して、思うことがなかったわけではない。
だけど、殊更実景のアニメーション化、特に空という点に関して自信を持っている作家が天気を描き、それがまた偉くヒットしそうだから、一応観に行きましたよ、そりゃ。もちろん、当たり屋な気持ちを一切廃して、フラットな気持ちでね。

ダメだった。
今回こそは、ハッキリとダメだった。

日本型アニメーションとの訣別の時を見た。
さよなら

実景にとことんこだわったのは好きにすればいい。
だけど、それを褒めるのってバカバカしいよ、やっぱり。
そういうのって、中身が伴ってからなんじゃない?
スクリーンに映るのは、ひたすらに実景のアニメーション化という名の広告。
細田守もそうだけど、なんなのこれ?

最低の気持ち。
スクリーンいっぱいに透けて見える、スポンサーの影。
CMかよ、気持ち悪い。
何より最悪なのは、ソフトバンクの犬畜生。
TOHOで観たんだけど、本編前にあの白戸家が本編に移るのを探してみてくれと宣伝する。
ただでさえ、映画の前にTVCMが流れるのにイライラを募らせていたし、そもそもCMはスベっていて好きじゃなかったのに、本当に腹が立つ。
鑑賞料金も上げてるし、マジでTOHOにいいところないわ。
ってか、そんなに広告を打ちたいのなら、そんなにスポンサー様の顔を立てないといけないのなら、TV映画としてやれよ。
映画とテレビの違い分かる?
お金払ってんの、時間に出向いてるの、チャンネル変えられないの。
下品なんだよ、気持ち悪りぃな!!
物語以前の問題だよ、これ。

それを踏まえると、中身の腐敗も敏感になっちゃう。


"セカイは、自分たち中心に回ってる"

これが許されるのは、若者までだったのだ。いや、幼児的でさえある。
いや、幼児向け作品の「クレヨンしんちゃん」とかに失礼。

質問です、先生。

ちゃんと段階を踏んで説明するでもなければ、大人だろうが誰であろうが、向き合うこともせずに、ギャーギャー喚いて、誰もわかってくれないと自分勝手に汗と涙を流してる。そんな話のどこに共感すればいいんですかね?

他人に対して銃口を向けて、それがどんな事かを思い知ったのに、また繰り返すような、幼稚で自分勝手な人間や、その自己中心的な行為にさえ、青春というお題目の元、美しいとウットリしてるような連中にどう心を通わせっていうんですかね?

さぞや、とんでもない理由があって家出したかと思われた主人公の少年が、"怖ぇな、東京は"って、ポエティックに何度か言うけれど、拳銃を感情任せにパンパカ打つ少年とどっちが怖いですかね?

オカルトをそこまで信じてもないのに、それが仕事だからってのは分かるけど、そういうポリシーのかけらもない人が、ムーのTシャツを持ってたり、ただ単なる記号としての目配せが、大根的で非常に腹立たしいんですけど、あれはどう意味なんですかね?


本当に気分が悪い。


自分が愛する人を、何を引き換えにしても守りたいと想う気持ちはイイし、それこそがこの物語の肝なのかもしれない。
だけどさ、あれは何?
東京の23区ら辺を水没させて、それをしっかり画として見せておきながら、自分の半径数メートルの届く範囲の人だけは、無事でそれなりの暮らしをさせてるけど、その他大勢の東京に暮らす人々たちはどうなったの?どうなったっていいの?

それは別にいいのね、そう、だって二人の話だもんね、二人をめぐる話だもんね。

良くねぇよ、もう忘れたのか?
8年しか経ってないんだぞ。
愛する人が生きてるなら、まぁ別に津波が来ようが、都市が水没しようがいっか、っうこと?
ふざけんな。

事故や病死、あるいは若さ故チカラが及ばないことなど、どうしようもなかったことに対してはやたらと罪悪感を持つくせに、拳銃ぶっ放したり、保身で子供を見放したり、気分で猫拾ったり、彼らの選んだ結果がもたらす災害とか、それぞれの選択によって生じる善悪に対して、一切罪悪感を抱かない・抱いたようには見えない作りが、本当に無責任で胸くそが悪い。

クソ気持ち悪ぃんだよ、この自己愛厨。




あ、本田翼の声は好き。むしろら本田翼が好き。
ぺろぺろ


無責任で無自覚、大っ嫌い!!!
Torichock

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