リアリティというフィルターを剥がしとり、音楽での表現と映像美”だけ”で、ゴリ押ししてくる新海誠の悪い癖が、『君の名は。』以上に目立った作品。
ツッコミどころ満載な脚本とご都合主義な展開の連続に何度イライラさせられたことか。
なにより、キャラクターの描かれ方が酷すぎる。
とても惜しいと感じたのが須賀圭介。
小栗旬の声とキャラクターのイメージが絶妙にマッチしていて、細かな仕草や表情から葛藤や心境の変化を伝えようとしてると思うんだけど、すごく中途半端。
それが故に、いまいち感情移入のできない薄っぺらいキャラクターになっていて、非常にもったいないと感じました。
他に、キャラクターはたくさんいるんだけど、興味深いやつは誰1人いないし、どれも平坦でありきたりなつまらないキャラクターばかり。
ストーリーはシンプルすぎて、新鮮味もクソもないし、『君の名は。』にあった、意外性のある展開は皆無だし、モノローグ多すぎだし、
映像と音楽以外、良いところが見つからないほど脚本が最悪の出来。
ちびっこにとっては、あまり話の意味がわからないだろうし、大人にとっては、物足りないと感じるだろうから、10代の若者をターゲットにしてる新海監督にとっては、ヒットなんだと思うけど、
自分の作りたいものを提供してホームランを打ちまくってる宮崎駿に比べると、彼がどれだけ売れ線に走ってるのかがよく分かります。
駄作とまでは言わないけど、良作とも言い難い。
新海監督の癖が苦手な自分からすると、とてもガッカリした作品です。
ミュートにして、映像美だけ観れば、そこそこ楽しめるかも。
