シド

天気の子のシドのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

まず自分の反省点。観る前に泣く準備をしていたのが駄目だった。
その時点で色々と泣けることを期待して、構えて見てた節がある。少なくとも今回は「君の名は。」と比較しちゃいけない作品だった。その点は反省。

では、感想に入るが、率直な感想としては、、難しい。。

まず世界観の感想。
雨中心の東京の舞台、癖のある設定の主人公や、その登場人物達は、独特な世界を作っており、物語の雰囲気はとても好きな部類だった。
特に実際ある商品や店が多々出てくるのが良かった。東京(都会)の裏をちゃんと描いており、家出少年を突っ放す序盤の新宿のシーンは、心が痛くなるほどリアリティがあった。
また、主人公が壁にぶつかる度に「Yahoo知恵袋」を利用しているシーンもまた面白かった。(笑)リアルかはわからんが。笑

この作品は現実味があることで、より話に深みが増したように思える。特に主人公が資金のない厳しい生活をしている描写は、妙に現実味があり、説得力があった。

次に物語について。

劇中で須賀さんが言っていた「大人になると大切なものの順番が変えられなくなる。」という言葉。これが特に印象に残っている。

ラスト付近の主人公の言動の「拳銃の発泡」「警察からの振り切り」「路線を爆走」等は社会には許されないことである。酷ければ人生を終わらせる事になっても、しょうがないレベルである。

この事実を知った上でホダカがやろうとしていたことは「好きだった少女を助ける」それだけの事だった。
大人も信用できない。誰も分かってはくれないからこそ、大人が唯一恐れた『拳銃』で訴えた。

子供の悩み、考えが全て大人が理解出来ている訳ではない。むしろ狂言や大したことないものとして、消化しがちである。
そして、社会や家族、自分の立場を知ることで、悩みを解決していく。それを世間は「大人になる」というのだろう。劇中の須賀の「大人になれ」もその意味だろう。
しかし、それが正しいことなのか?
それはまた別である。

では、ホダカの選択も正しいのだろうか?
ホダカは最終的に、ヒナの救いを選び、天気を変えた。

それにより東京は浸水したが、立花のお祖母ちゃんの言っていたようにそれを、天命として、しょうがない事と見ている人もいた。

すなわちどれも正しくあり、正しくなかったのである。

いかに自分が、他人の『正しい』評価に左右されながら、自分が作品を見ていたかがわかった。世間の評価を確認しながら観たところで、この作品に正しさはないし、答えもないと思った。
ホダカは正しくないし、しかしそれは間違ってはいないのだ。

主人公が世界とヒロインを選ぶことを迫られる、王道なシナリオだったが、かなり難しい作品だった。


………「かなり難しい」と捉えてる時点で自分は『大人』なのだろう。(笑)