tarupon

天気の子のtaruponのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
そもそも、アニメは話題になったものを見る程度。新海監督の作品は、「君の名は」で初めてみて、映像(背景)の美しさに惹かれ、でもどうしても大掛かりなRADWIMPSのPVのように思えてしまった。でも、その後テレビでみた「秒速5センチメートル」は好きでした。
そして、今回の「天気の子」 RADWIMPSとのコラボだし話の構造も「君の名は」と似ている部分があると思うのだが、これは好きでした。少なくともRADのPVとは感じなかったし、「君の名は」ではほとんど涙も出なかったのだが、なぜかこちらは涙がとまらず。
うーん、この違いは何?なぜ?と自分の中で自問しております。

自分の中でもその差異をはっきりと言語化できないのだが、この「天気の子」のラストはよかったなと思う。


以下、ネタバレになるので、下げて書きます。
見ていない方で見に行く予定の方は、ネタバレしない方がよいかも。







鳥居のところに、2人が戻ってくるところまでは想定内だったが、その後がよかった。

水没する東京の街、自分が育ち暮らしている街で、あの絵は若干の衝撃があったけれど、だからこそ穂高が関わった仲間たちがその中で普通に前を向いて普通の営みをしていることが自分の中で響いた。
途中、気象神社の神主さんとかが、東京が今みたいになったのもたかだか300年400年程度のことで、それ以前は東京は海で、今のような都市になったのも人間と気候によるものだとか。異常気象と言っているけれどそれもたかだか100年に満たない期間のことだとか(これは、神主さんの言葉ではなかったと思うけれど)
決して人間のエゴによる温暖化を肯定しているわけではなく、そういったことを前提に水没した東京を見ると、なんか大きな自然とか時の流れの中の人間の存在のちっぽけさと逞しさを感じた。
そして、最初は晴れ女として役割に喜びを感じていたけれど、自分自身がその代償となっていくことに。そこに流されて行きそうだった陽菜を連れ戻した穂高、そこに健全さを感じた。

ファンタジーだしね、アニメだからこそ、浸れる世界観なのかなと思った。
今回も変わらずの東京の街の細かいリアルな描写、ファンタジーだけれど場所がすごくリアルに感じられることもこの作品の魅力。
tarupon

tarupon