【美しくて優しいフィクション映画】
大都会に家出してきたものの、そこでも現実に打ちのめされた少年。そんな彼の目の前に美少女が…と書くとよくあるお話みたいですが、この映画は美しさ、優しさが光ってるのがポイントだと思います。
東京の町が晴れ上がるシーン、ヒロインの慎ましくも精一杯可愛く飾った部屋、おばあちゃんの古い家…様々な場面に人が描いた絵ならではの美しさと温かみを感じました。
ストーリーも「美しく、優しい」と思います。
ややもするとご都合主義になりそうなストーリーですが、登場人物の背景がきちんと描かれてるせいか、皆がご都合ではなくて自分の意志で動いてるように見えるんです。
主人公が困難にぶつかってもそっと助けてくれる大人達。
最後には登場人物が皆幸せになるハッピーエンド。
これ、たぶんアニメではなくて実写プラスCGにしたらずいぶん嘘臭い、薄っぺらい感じに変わってしまうかも…
全てを絵で描いたことでフィクションがすんなり受け入れられる気がします。
普通の少年少女が超常能力に目覚めようが、恋心で世界を変えようがいいじゃないか。フィクションなんだから。
そんな恋だってあってもいいじゃないか。
とにかく最後は「大丈夫」
そう思わせてくれる映画でした。
現実の忙しさや嫌なニュースを一時忘れさせてくれる素敵なフィクションでした。
