ごまかしオジサン

天気の子のごまかしオジサンのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.9
ようやく見れた!
IMAXで鑑賞したからか、映像の美しさは抜群だった。

しかし、肝心の内容は、主人公が厨二病過ぎて腑に落ちない部分が多々あるという印象だった。
評価が別れる作品と言われてるのが納得。

ストーリーは、家出した主人公が当てもなく東京を彷徨うという陰鬱な雰囲気で始まる。しかし、家出の理由などが明かされないため、どこか影のある主人公に全く感情移入できない。『なんか主人公、厨二病臭いな』とマイナスなレッテルを貼ったまま鑑賞する羽目に。

その後、かくかくしかじかあり、主人公は警察に追われる身になるわけだが、ようやく見つけた安息の地がラブホテルという所にひいてしまった。ボロいホテルとかではダメだったのか。
今作には、この他にもエロを感じさせる表現が散りばめられているのだが、子供も見るであろうアニメにそうした描写が必要なのだろうか。
良くも悪くもジブリとの格の違いを感じてしまった。

また、主人公が警察に捕まったシーン。ヒロインが年齢を実年齢より高くサバ読んでいたことを警察から知らされて、主人公が「俺が1番年上じゃねぇか」と泣き出すのだが、ヒロインが年上らしく気丈に振舞っているシーンが全く無いため、全然感動できない。
新海監督の前作「君の名は」の伏線回収が壮絶だっただけに、こうした脚本のアラが余計に目立った。

同様に、ラストシーンも個人的には納得できず。
主人公のある決断により東京が雨で沈みゆくわけだが、主人公は周りから「気にするな」と優しい言葉をかけられるも、ヒロインと再開するなり「やっぱり俺達が世界を変えたんだ!」と周りの気遣いを一蹴。独自の世界観に浸ったままフィナーレを迎える、、、
やっぱりただの厨二病野郎かよ、と思ってしまった、、、


まぁ、マイナスな点が溢れ出てしまいましたが、単に主人公が青臭いキャラだっただけで、それを素直に受け止められなかった自分も青いなと思う。

それに、マイナス点を差し引いても、映像が圧倒的に美しいため一見の価値はある。
特に中盤、晴れ女の仕事を始めたあたりで東京の街並みを映し出すシーン。あまりにも綺麗すぎて、ただ風景を映してるだけなのに涙が出そうになった。

それゆえ、没入感も凄まじく、2時間があっという間に過ぎた。感動出来るシーンも多少あったし、色々文句を言ったが面白いとは思う。
ただ、個人的には「 君の名は」に軍配があがる。