ショウコ

天気の子のショウコのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.4
巧妙に偽装されたブラックジョークを見てる感覚にさせられた。全くおチャラけてみせてくれないので、本当にジョークなのか判然とせず観てるこっちが狼狽えてしまう

家出してきたDQN高校生視点。「世界を犠牲にしてでも君を救うんだ!」と走り出す青春ファンタジーでした。色々アマいし私もそんなのに散々ハマってきたわけですが、やけに生々しい現実フィルターを張ってくるもんだから素直に入り込めずアタフタしてしまいます。オマケに実在の場所でしょ?メタファーとか言ってられない苦味がありました

金を得るには労働が要るし、しでかした事にはリスクがついて回る。真っ当なメッセージを含みつつ、それでも欲しい女を手に入れろ!…って「何年か臭いメシを喰えば精算されるからおめー鉄砲弾いってこいや」みたいな事をスペクタクルMV演出に乗せて言ってる様でどう受け止めて良いのか困惑…ヤンキー活動推奨かと思いましたよ

本来なら、ネカフェ難民や売春などあまり見たくない現実は別の物で置き換えるのが定石です。「千と千尋の神隠し」みたいに。そこを直接描写でぶち込んでしまうあたり、やっぱり本気で厨二Jポップをやろうとしてるんじゃ…と心ザワザワさせられて楽しかったです。計算ずくで逆説を説いてる様にも思えるし真意が見えないのが趣深い




伝染病など、長雨だけでも多くの死者は出てるでしょうし爆発だってただじゃ済まなかったハズ。仮にもっと大きなディザスターなら同じ選択は出来なかったと思います。真面目に考えれば考えるほど美味しくないものが滲み出てくる、キラキラデコレートが施された飴玉(ワサビ入り)みたいな映画でした

「ちょっとどこ見てんのよ」なんて発声した事もないですし、きっと私の心が汚れてるだけですね