Junichi

天気の子のJunichiのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
「人の心って不思議だ。例えば朝、窓の外が晴れているだけで元気になれてしまう。空が青いだけで、生きていてよかった!て思えたり、隣にいる誰かをもっといとおしく思えたりする。」

【作画】10+
【演出】10+
【脚本】7
【音楽】8
【思想】5

主演を務めた
醍醐虎汰郎さんと森七菜さんをはじめ
小栗旬さん、本田さんなど
とても素晴らしい声の演技をされています

とりわけヒロイン役の森七菜さん
恐ろしい(よい意味で)女優になると思います

平泉成は平泉成役でした

声優さんを起用しないことを批判する人もいますが
現在の声優さんたちは
アニメーション専門学校で鍛えた
いかにもな声優声なので
今回のようなキャスティングの方が自然に聴こえます

物語の構造はセカイ系
最初からずっとセカイ系作品を創り続けているのは
新海誠監督だけかもしれません

ですので正直
『君の名は』と明確にできません
同作の主人公たちも出てきたことから
同じセカイなのでしょう

ちなみに新海監督の現時点での最高傑作は
『言の葉の庭』だと思います
彼の思想のオリジナリティと
作画・演出技術が自由に最高度に達した傑作だと思います

今作でのメインである【雨の表現】
『言の葉の庭』で達したレベルから
さらに何段階も突破しています
(水溜まりやビニール傘の透明感など)

しかし新宿が好き(笑)
彼は長野県佐久郡生まれなので
大学のため上京したのは
おそらく松本からあずさ号で新宿へだったのだと思います

北関東や東北の人にとっての東京のイメージが【上野】なのに対して
長野県の人にとっての東京のイメージが【新宿】です

新宿や渋谷、池袋、田端など
現在の東京の街を絵で記録したものとして
今作は大切な作品です

新国立競技場が
現在の新型コロナの状況で
少し虚しく見えますが…

不満点は
これは新海誠監督だけでなく細田守監督にも言えますが
様々なしがらみに絡めとられ
オリジナルな思想の作品が作れなくなってきているように感じたことです

悪い大人たちが
ジブリの次を狙って群がっているのでしょうね

次回作は
RADではなく天門氏の音楽で
新海誠の創りたいもの(鬱作品)をそのまま創って欲しいと思います(笑)

細田守監督には
尾道三部作の残り二作(『転校生』と『さびしんぼう』)をアニメ化して欲しいと思います(切望)

日本アニメの映像技術の最先端を知りたい方にオススメです
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