天気の子の作品情報・感想・評価

「天気の子」に投稿された感想・評価

新セカイ系爆誕

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「君の名は」と「秒速5cm〜」くらいしか見た事がない新海弱者。
背景描写の超美麗さだったり、説明を排してキャラクターの心象風景をビジュアルと音楽で伝える作風は好き。
好き嫌いが分かれ、厨二病とも揶揄されがちな、おセンチでポエムな語り口はちょっと苦手。たぶんこれは僕自身が思春期をこじらせたまま大人になったからで、思春期の青臭い自分や痛いこじれ記憶に向き合えてないせい。記憶のカサブタを剥がして塩を塗られる気分で、見るに耐えないんだとおもう。我ながら情けない😫

家出少年と親をなくした少女の出会い。
どちらも孤独で居場所のない少年少女の冒険譚。どことなく「ラピュタ」の系譜にあって、現代的にブラッシュアップした印象。
冒頭の「ライ麦畑〜」のどアップが意味はわかるけど、小っ恥ずかしい😝 家出中のホダカの心象と、この先の物語の暗示なんだろうけど、選書が如何にもすぎて厨二病の誹りもやむなしな気分。


とはいえ青臭くて未成熟な少年が、大多数の言う常識に染まって大人に成長していく……のを拒絶してでも自我を貫く物語。一方の少女が大多数のために自身の運命を受け入れるのと対照的。賛否両論ありそうだけど、自分の思う新海誠の作風そのもだと思った。思春期特有の青臭さ・イカ臭さを恥ずかしげもなくさらけけ出せる正直さを『強え!』と思ってしまった。

まずもって、東京の風景がメチャメチャ綺麗!新海監督は新宿の風景好きねえ。特に大ガード周辺の性も欲も業もゴッチャに見渡せるような風景が好みっぽい。(バニラトラックまで出てきたのは笑ったけど、あの曲聞くとしばらく脳裏に焼きついて映画に戻れないから困る)
見知った風景が超絶美麗なアニメで再現されるだけで凄いし、見たことない風景に変貌してく様も楽しい。
何より天候描写スゲエ! 俺の知ってるアニメの雨って、カッターでセルに傷をつけてランダムに動かす昭和の手法で止まってたから、あんな精緻な雨の描写ができることに驚いた。


フェリーの中でのチキン南蛮定食に始まるフード描写も良かった。
ポテチチャーハンとチキンラーメンスープのくだり、ヒナの自炊スキルの高さも伺えるし、豆苗やネギを育てる節約術で幼い二人の経済状況も見える。親御さんの躾の良さや、長く病気してて家事全般ヒナが請け負ってたのも一発で分かるし、貧しいながらも卵黄を最後にトッピングする豊かさも忘れない(余った卵白はチキンラーメンのスープの具となる)
ささやかな幸せの積み重ねが豊かで、清貧な手作り料理を喜ぶ一方、三幕目ではラブホの冷凍食品を嬉々としてシェアする姿も微笑ましくて愛おしい。フード理論の「仲間は同じ釜の飯を食う の法則」の通り、三人の絆を深めると同時にクライマックスに向けた腹ごしらえにもなってて如何にもジブリ的。(ラピュタだとシータのシチューをみんなで食う感じ)

ホダカの家出の理由とか説明が極力排されてるのはいいけど、雨に濡れるのを喜ぶ一幕目の要素はなんだったんだろう? 後々物語の伏線になってるわけでもないし、そもそも何の設定なんだろか? 浄化されてる感じ?
ホダカの身勝手な行動はさておき、それらが全て無条件に赦されて、なんの犠牲もなくセカイに受け入れられてるのが気になった。なんとも主人公にばかり都合のいいセカイで、甘汁に頭から使ってヌクヌクしたい妄想にも思える。ホントはフェリーから落ちて走馬灯で「理想の東京暮らし&冒険』を見てる説まで思った。


オッサンには「傷だらけの天使」でトマトやコンビーフをかじってた代々木会館(2019年8月で解体とか)がキーポイントになってて嬉しい。なぜか新海誠監督作でよく出る、代々木のNTTドコモビルとの対比も相まって、新しい物に駆逐されていくオッサンの思い出の一端を見たようで切な嬉しい。 一番古い記憶でも既に廃ビル同然のオンボロ具合だったもんなあ。

お金集めにタイアップが沢山必要だったのか、異常にそれらしいシーンが多い。ソフトバンクの白犬や小栗旬とメーカーズマーク、都バスetc… 気づいただけでも10箇所くらいあったけど、そもそもリアリティある描き込みがすごいせいか、あんまり気にならなかった。本田翼こと夏美がHONDAのスーパーカブに乗ってるのは面白かった!HONDAのバイクだ😆

68本目
toko

tokoの感想・評価

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お台場でカミナリみてハリーポッターの話したこととか
沖縄の修学旅行のホテルでめちゃくちゃびしょ濡れになったこととか
桐陰祭あそびに行ったあと台風きてて池袋泊まったこととか
てるてる坊主たくさんつくってくれたこととか
全部一気にフラッシュバックした
もう全部戻れない

このレビューはネタバレを含みます

あなた1人とほか全人類
どちらか1つ救うとしたら
どっちだろかな
迷わずYOU

RADWIMPS続投正解ですわ。
ramona

ramonaの感想・評価

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アメリカにて鑑賞。ごはんシーンで、主人公たちが勢い良くいただきまーーすって言ってるところで笑いが起きるなど、おもしろかった。Your nameが国外でこんなにもムーブになってると知らなくて、びっくりしました。フニャフニャ~な日本語でRADを口ずさむ友達にも、びっくりしました。アニメのすごさを、日本人というだけで自分事のように享受できて、ありがとうございますという気持ち。
るる

るるの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

not for me なことを理解したうえで見に行ったんだけど、

自分が中学生のころにこの作品に出会ってたらどう思っただろう、と考えてみてるんだけど、全然わからない、どの時期に、どの作品と出会う前に見ていたら、刺さったんだろう。そんな時期はなかったかもしれない。己のラノベ遍歴を思い返してみると、古典であるところのブギーポップをかなり背伸びして読み始めたことが入り口だったからな、ちょっと世代ではないというか…

日本アニメ映画の文脈で見たときに、細田守作品と表裏というか、ほとんど区別がつかなくて、ちょっと困惑した、途中で、ああこれはヤングアダルト向けポニョなのかな、女の子のために頑張る男の子を奨励するなにか、と思ったりもして。好きとも嫌いとも言い切れないシーンがずーっと続く、なかなかない感覚だった、あれが"無"か。

まず冒頭のポエムがいけすかなくて。わりとずっと、なんだこれは…と思っていて、

これはラノベなのかなあ、ベタな演出がされたギャグシーンは地上波アニメっぽい、いややっぱりエロゲのノリなんだろうなあ、やったことないけど…苦手なんだよなあ、ゼロ年代&イチゼロ年代、セカイ系から萌えに向かった流れ…とかなんとか思ってたんだけど、

ああそっか、MADか、と気付いて、ひとつ、なにかが腑に落ちた、一時期ハマったニコニコ動画の、あの、曲のいいところでセリフが入る、あのカタルシス、そこに気持ち良さを見出してしまったので、なんか、ああー、やっぱり私もこのへんの世代なのかな、と思うなどした。ちょっとくやしい。

しかし、正直、あの精神性…にはまったくノレない。幼すぎるだろうと思う。幼すぎる主人公に、薄っぺらいウンチクを垂れる大人、最もらしい"知識"を語る年寄り、衒学趣味なラノベから、セカイ系、萌え系に移行していったころの、ラノベのきらいなところ、こういう"軽い"漫画や小説は徹底的に避けてきたんだよな…と思って、うっすらと、ずーっと腹立ってたんだけど、

みんなのためにひとりが犠牲になってもいい、と漏らしたダメな大人な男との対決を、山場に持ってきたのは良かったように思う。あまりに作為的だったけど。父殺しではないけれど、大人の男にひとりで真っ向から立ち向かう男の子の描写、宮崎駿ができなかった仕事だと思う。

父親不在の物語のなか、父親をなんとかやろうとしてる男を描いたあたり、回帰、という気もするけど、しかし、いまこの世は本当に父親不在の世の中なのか?本当に?権力者の存在をぼかすなよ、と思ってるので、うーん。

それにしても。小栗旬が声やってる彼のビジュアルが、サマーウォーズの人気キャラ、侘助にしか見えなくて、夏美さんもサマーウォーズとか、その他アニメの類型的な姉貴キャラにしか見えなくて、人気の要素をただ、ぶち込んでるように感じて、うわーって。

スポンサーとのタイアップだらけの、ザ・資本主義みたいなアニメだな、ある意味、器用だな、残った作家性がこういうとこならやっぱりいけすかねえな、って、なんだかもうずっと気持ちが凪いでいた。

君の名は。キャストのゲスト出演もあざとすぎて、満を辞しての登場といった感じの演出に辟易。大ヒット作を生み出してなお、ファン向けのスタイルを崩さないところが作家としてのいいところなんだろうけど……好みじゃなかったなあ。

風俗求人バニラの車をわざわざアニメで描写するえぐさ、今敏とか、雑多な街並みを描く画風ならともかく、あのお綺麗な画風に割り込む東京の現在、えぐみが凄かった。

この東京には憧れねえな、と思ってたんだけど、無策で上京してきて、よくわかんねえ怪しげな仕事について、それでなんとかなる、そこが東京の良さなのかなあ、という気もした、でも、男の子だけだよな、女の子はあれ、救われたと言えるんだろうか。一連の描写全て、えぐみが凄い。

ラブホテルにて無策に結婚しようと言った穂高くん、あ、こういう男の子、いるな、いるんだろうな、と生々しさを感じてしまったし、女の子もイタイ、年齢偽って穂高くんに世話を焼いて自尊心を満たすあの感じ、自分が大人だと思っている女の子、大人に付け入れられやすい女の子、ああいう女の子いるな、と思ってしまって、おおかみこどもの雨と雪よりも、学のない、世間知らずな男女の恋物語、という連想をしてしまって、なんだかもうゾワゾワした。

穂高の家庭環境を描かなかったことにも、ちょっとモヤモヤ。感情移入しやすいように主人公の属性を削ったのかな、と思うんだけど、子供を主人公にして描いた物語としてどうなんだろう、児童文学の信奉者なので据わりが悪い。島に戻った彼はどうやってサバイブしたのか。そういう部分をしっかり描くという意味では、細田守のほうが好みなんだよな。。

そうそう、個人的に、児童の福祉に携わるおばさんたちを信用できないひとたちとして描いたうえでフォローがなかったことは、ちょっと許せないなと思った。その背景にあるモノを思って尚更、受け入れがたい。社会の底を支える仕事、その従事者への敬意がなさすぎると感じた。福祉が身近かどうか、都会と地方都市の違いなのかもしれないけど、大人として四苦八苦しながら社会正義を守ろうとしている彼女たちよりも、ダメなところもある子供っぽい俺たちのほうが子供と寄り添えるし救いになれるという傲慢な視点に感じたので、何を言われても説得力がねえよと感じた。

現実の事件を通して、露頭に迷った児童を保護と称して囲い込んで共同生活を送ることがなぜ誘拐になるのかわからないという大人がたくさんいる、インセル・オタク層と重なる、ということを目の当たりにしたので、尚更、アニメでこういう価値観を描かれてもなと。信頼できない福祉事業を告発したいならもっと真面目にやってほしい。なんだかな。。

楽曲単体で気に入って事前に聞き込んでいたグランドエスケープがかかったときに、あっ、そうだ、この曲を聴きにきたんだった、とギアを切り替えたんだけど、聴き込みすぎていたせいか、夢想していたカタルシスを超えなかったかな…予告編が良すぎた。

君のためならこんな世界は滅びてしまってもいい、というエゴ炸裂の愛の形は好きなので、まあ、いいんじゃないかな。としか。感動も何もなかった。なんなら、もっとシッカリぶっ壊してほしかった。困る大人たち=社会の様子をもっと描いて溜飲を下げてほしかった。でも、いわゆるセカイ系にそんなこと望めないんだろうし、凪。

豪雨被害のニュースが続く昨今、あの水没した街の光景についてはマヒしていたかも。アニメにおける壊滅した東京のイメージなら何度か見てきたし、衝撃も薄くて。

災害が日常になってしまう人々の暮らしについては、まあそうだろうな、3.11以降、ずっと目の当たりにしてきたしな、という諦観が。

監督のインタビュー、海外では環境問題に絡めて質問されるが日本ではない、というコメントを読んで、批評性が失われている、どこまでもマヒしている、と感じた。ただもう、知ったことか、という気分でもある。個人的には、男たちによって巫女にされそうになる女を救う、レズビアンの女の話として、百合アニメとして見たかった。それくらいやってくれなきゃ、日本アニメの文脈で見れば、凡庸だと感じる。申し訳ないけれど。
人柱って設定が、なんか入ってこなかった。

家帰ろうと思ったら雨降っててブーツ濡れそうだからって理由で映画館で観た。
映像で感動持っていかれた。
ミーー

ミーーの感想・評価

3.5
まだ映画館でやっているのを見つけて、遅ればせながら観賞。
直球のファンタジーではあるものの、背景となる東京の風景が固有名詞つきでこまやかに描かれているおかげか、親近感を持った。映像も美しい。展開や設定が少し強引な感じもするけれど、アニメ作品なのでさほど違和感もなかった。
SHUNSUKE

SHUNSUKEの感想・評価

4.5
僕は「君の名は」(dvd)がそんなにハマらなかったので、期待せずに観に行った(映画館)けど、めっちゃ凄かった。

本作の「本当の凄さ」は作品の表層に見つかるものではない。この現実世界と地続きでつながっている部分にこそ宿っているのだ。だからこそ、見る人の背景やコンディションによって評価が代わり、賛否が分かれ、人々に「物語られる」(これが最も重要な要素だ)作品になっているのである。

https://weblan3.com/blog/2019/07/21/44/#Clause8からの一部引用
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