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2分の1の魔法のmoridonのレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.3
めちゃくちゃ泣いた。親子の愛や疑似家族をテーマにしたディズニー・ピクサーの作品はたくさんあるけど、ここまで“兄弟”にスポットを当てたものは今まで無かったのでは。

死んでしまった父にどうしても会いたかったイアン。父とやりたいこと、やってほしかったことがたくさんあった。しかし振り返ってみると、それらは全て兄のバーリーが自分にしてくれていたことだった。

そして本当に父と会うべきなのは、父を必要としているのは、自分ではなく兄だと気付く。言えなかったサヨナラを伝えるために。

父親にサヨナラを言いそびれ、前に進めずにいた兄の役を『ガーディアンズ ・オブ・ギャラクシー』で母親の手を握り返せずにいたクリス・プラットが演じているというのが何とも粋な演出である。クリプラはどの作品でもonwardしている…!

何より父と兄の再会シーンを直接描かず、イアンの視点で映すというあのラストシーンがもう素晴らしすぎて涙腺崩壊。私自身、二人兄弟の弟なのでめちゃくちゃ感情移入してしまいました。弟って、父親が二人いるから恵まれてたんだなあ。

監督のダン・スキャンロン本人も、自分が1歳、兄が3歳の時に父親を亡くしているとのこと。カセットテープのシーンも実体験を元にしているとか。こんなパーソナルな作品を、当たり前のように大衆向けの映画としてつくってくれるディズニー・ピクサーに拍手。
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