ShiroKyogoku

決算!忠臣蔵のShiroKyogokuのレビュー・感想・評価

決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)
4.1
点数高くしてるけど、もともとの忠臣蔵の話しを知らないと全然なんのこっちゃという作品ぽいので悪しからず…

時代なのかなぁ〜。
映画館での上映開始前のアナウンスですら「チュウシンゾウ」とか言っててめちゃめちゃ萎えた…
そして劇場内では間違いなく自分が最年少、先輩方しかいない…忠臣蔵なんて、もう日本人には感動や関心の持たれる題材じゃなくなっちゃったのかととても悲しくなった。


今作は忠臣蔵の討ち入りまでの紆余曲折の側面を経済的アプローチから描いたもので、歴史的な勉強にもなってとても興味深かった!特に綱吉の時代の物価を当に視覚的に知ることができるので、想像より高いもの安いものがわかりやすい。

ちょっとコメディタッチの映画なのに、えらい細かいとこまで調べあげられていて「武士の一分」だけではなかなか成し遂げられなかった仇討ちの理由に随分と説得性や整合性があるよなぁ〜、なんて思ってたら原作が山本博文先生の著書なのね、そりゃ当然だわ。
人物や事象が綺麗に史実に沿っている点も納得。言語も江戸と播磨で変えていて、浅野と大石の短い会話などは、これまでのイメージと違い斬新に感じた。

また、テーマを忠臣蔵の物語自体ではなく、討ち入りまでの勘定、経済が大石を始めとする浪士たちの行動にどう影響していたか、という点に完全に絞られているので、その前後を潔く切り捨てているところもよかったと思う。

これは自分くらいかも知らないけど、子供たちが勝手に元服し、御目見すら叶った事のない殿への忠義を立てる所や、コミカルに描かれていた大石の、お家再興が途絶え最終決断をするシーンは普通に泣ける。そしてエンドロールで雪の中を討ち入りへと進んでゆく様は感極まった。
誰が何と言おうと、多くの日本人から忘れて去られてしまおうと、やっぱり忠臣蔵はいい。
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