このレビューはネタバレを含みます
なんとなく“外伝”っぽい作品だと思った。作り込まれた作品世界のど真ん中ではなく、その外縁での物語というか。見ている間はさまざまな語りの型や作品を思い浮かべたが、そうやって一度分類してしまうと突出した部分が見えにくかった。
中盤でひとつの大きなタネ明かしがあった後で、「ここからどうやって巻き返すんだろう」と思ったところで用意されていた逆転の一手には燃えるよりも安易さを感じてしまった。ああいう“越境”の部分に理詰めの設定が用意されていると嬉しいのだが、無いものねだりかな。
しかしCGアニメーションのキャラクターに「顔が青ざめる」をはじめとする色々な記号表現が乗っかってると違和感がある。ああいう表現って、静止画に近いものにでないとうまく乗らないんじゃないだろうか。オチに関しては、気持ちは分かるけど手前で終わった方が好み。
『インセプション』みたいに町が折り畳まれるシーンは「ああ、京都の町って碁盤の目のようになってるから折り畳まれやすいんだろうな」と今作が京都を舞台した意義を感じながら観ていた。