140字プロレス鶴見辰吾ジラ

HELLO WORLDの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
3.5
【プロジェクト・メイヘム】

中盤の反転を見るに「ファイトクラブ」感がよぎってたのが理解できた。「恋人」を作るためというミニマルな願いに対してマクロ的なスケールが動き出す感覚は、青春という位置エネルギーの象徴なのだろうと同情めに思う。それでもマッドネスな映像によるドラッグ吸引に対して、売れ線を意識させた予告から期待値の世界崩壊を描くのがしんどい。

企画に対して宣伝の不一致が引き起こす「何を見てるんだ、俺は…」が、死を決定的によぎらす中盤とクライマックス。造形やSFに対しての地の文がぶっ壊れた生き方をしているか、それを抑制させるかどうかの駆け引きで、突き抜けた完全燃焼にはいたらないというのが私の回答。