ピッツア橋本

吸血の群れのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

吸血の群れ(1972年製作の映画)
3.5
“カエルの鳴き声は地獄のハーモニー!これぞ自然界の地獄の黙示録!ナチュラル系アメリカンニューシネマここにあり!”

カエルをはじめとした爬虫類たちが突如として人間達を襲って来る、すごく前向きに捉えるとB級版ヒッチコックの『鳥』。

めちゃくちゃ酷評されてるようだけど、
本作の作り手側のガッツや苦労を想像すると爬虫類嫌いなはずなのに何だか応援したくなってしまう自分がいる。
役者はほとんど泥か血糊だらけ。オマケにカエルや蛇が体を這いつくばるわけで、
絵的には地味だけど、役者達の身になって想像すると不快さという恐怖に打ち震える。

癒されない動物映画って中々健気。
誰がどんな目的でこれを企画したんだろうって思う。

邦題の吸血感やパッケージの人食い要素は皆無だし、厳しく観るとその殆どが人間達のメンタルが弱すぎてショック死してるだけ。
言っちゃえば邦題「吸血の群れ」も原題「FROGS(カエルたち)」も作品の本質を捉えてない。
作り手にすら制御不能なアニマルパニック映画が本作なのである。

この映画じゃなくてそもそも爬虫類が不気味で怖いって事を再確認させてくれる一本。
ピッツア橋本

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