rage30

黒い司法 0%からの奇跡のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

実際にあった、死刑囚の冤罪事件を描いた作品。

物語の基本軸としては、死刑囚の弁護をする法廷サスペンスなのだが、その過程でアラバマ州の法体制の不備、検察の杜撰な捜査、根強い人種差別が描かれていく。

被告になっても、ろくな裁判を受けられず、捏造された証言によって死刑判決が出される理不尽さたるや…。
そして、主人公自身も弁護の妨害や脅迫、嫌がらせを受ける事になる。

そうした1つ1つの描写を見る度に、怒りと絶望に支配されるわけだが、逆にそれが映画への感情移入を促し、逆転劇への期待を高めていく。
副題にもある通り、0%からの奇跡だからこそ、カタルシスも大きいのだろう。

映画として何か新しさがあるわけではないのだが、オーソドックスな作り故に、この物語が持つ力強さがストレートに伝わって来た。
黒人差別等の社会問題だけでなく、普遍的な正義と信念を描いた作品でもあるし、何より実話ベースという強度…説得力がある。

実力派キャストによる演技も見応えがあり、ここまで骨太な映画も、近年なかなか珍しいのではないだろうか。
少し地味な印象は否めないが、見れば誰もが心を動かされるに違いない。
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