伏見の剛力

黒い司法 0%からの奇跡の伏見の剛力のレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.3
黒人差別は最近ではグリーンブック、ブラッククランズマン、ヘイトユーギブなどがありますが演者の豪華さだとこの黒の司法は群を抜います。
マイケルBジョーダン、ジェイミーフォックス、ブリーラーソン、この並びを見てキルモンガー、エレクトロ、キャプテンマーベルとすぐ安易にアメコミに結びつけてしまった人もいるのではないでしょうか。

デスティンダニエルクレット監督の作品はブリーラーソン主演のガラスの城の約束を予習しましてなんと今知りましたがMCUシャンチーの監督じゃないですか。
ということはこの豪華すぎるメンツは監督の才能だけでなくアメコミの間接的な繋がりもキャスティングに後押ししたのではないでしょうか。

多才な監督に豪華キャストに法廷ものにすこぶる前評判という実質ルッソ兄弟のアベンジャーズと遜色ないですがいかんせん時期が時期です。

コロナ要請をもってしても初日から満員御礼が約束された本作のスクリーンに飛び込むことはいささか躊躇しますが個人的にかねてから免疫力の問題だと情報から鑑みております。

禁煙3ヶ月突破、毎日ビタミンC、亜鉛、マスクと心のチャクラかリビドーみたいなもんが止めどなく溢れんばかりのこの心体に死角はあろうはずがありません。いざ行かん劇場へ誰も俺を止めることはできない










いやスッッッカスカやないかい!!!!!
コロナを言い訳にしていいんですよねこのスカスカさは?そういえば公開するまでに1回も宣伝を見てませんが億単位のプロモーションの隙間を偶然掻い潜っていただけでこれからの週末挽回していくんでしょと思いつつ赤い上映館(50館)が目に留まりました。

いや何でこんなに少ないんですか、グリーンブックやブラッククランズマンと何が違うんですか、去年に第92回アカデミー賞ノミネート資格を得るために限定公開されたらしいですが私が調べた限りではノミネートすらされてませんでしたね。

私の勘違いで第93回アカデミー賞ノミネート資格を得たと解釈したいほどに映画館でこれぞ映画!と思えるような作品に久々に出会えました。
グリーンマイルやショーシャンクを初めて観た時のあの昔の名作を堀当てたような懐かしい気持ちを2020年映画館でも感じることができましたね。

マイケルBジョーダンが演じる主人公が白人警官に弁護士の確認という口実で服を脱がされた時のクリードみを抑えきれないボディーに一瞬虎の目が垣間見れるますがちゃんとビビるときはビビる繊細で聡明で道徳心のある若い弁護士です。

証拠もなく目撃証言だけで捕まりショーシャンクのモーガンフリーマンのような悟りを開くほど追い詰められる死刑囚を演じるジェイミーフォックス。

白人でありながらも主人公の黒人弁護士をサポートし家族に危害が及ぶかもしれない中で息子に逃げの姿勢を見せないことを選んだ母親のブリーラーソン。
最近ルームを観たせいかキャプテンマーベルよりも眩しい姿にコンタクトが潤いました。

タイトルにもある0%からの奇跡の0%は本当に0%です。
証拠や法をもってしても黒人というだけで死刑囚にされるのです。
「お前はやりそうな顔してるから」
これだけで長い人生を他人に奪われるケイオスな世界がなんと実話というなんとも言葉が出ませんね。
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