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21ブリッジのJIZEのレビュー・感想・評価

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.8
完全封鎖されたニューヨークのマンハッタン島を舞台に強盗殺人事件の犯人逮捕のため刑事がその背後に隠された真相にせまる。まず率直に真夜中の都市部ド真ん中をメインに、追う側(警察)と追われる側(強盗犯)が執拗に夜街を闊歩する様など『ラン・オールナイト(2015年)』を連想させる。また主演のチャドウィック・ボーズマンの早逝が、またしても彼の作品を観て惜しくも悔やまれた。チャドの人間根源のピュアネスを体現するようなまっさらな瞳の透明感は、観る者につよい説得力を与えて輝いている。昔風のクライム劇が正義と悪や権利社会の構図を浮き彫りにヒートアップするが、着地点の底の底まで真相を突き止める感じは、本作の美点だと感じる。警部役のJ・K・シモンズの怪演もこういう役どころは新境地か。全体的に硬派かつハードボイルドの劇映画のつくりをベースに、王道過ぎない犯罪ドラマを絡み合わせた映画だと思う。
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