このレビューはネタバレを含みます
監督舞台挨拶付上映にて鑑賞。
予告、ポスターはかなり怖そうな印象でドキドキしながら鑑賞に臨みましたが､ホラーが苦手な私でも一度もビビることなく終了。
犬鳴トンネルなんて、ホラー映画の題材としては最高レベルのものだったはずですが、正直残念な出来映え。
オープニングのレトロ風な東映のロゴが期待を煽りますが、恐怖度ではそこがピーク。その後は予告にもある飛び降りシーンなど、印象に残る場面はいくつかあるものの恐さは感じず。
幽霊は序盤からガンガン写していくスタイルですが、アントマン&ワスプのゴーストのようなCG加工が余計ですね。ホントに幽霊がいる感じが全然しません。
全体的には昼夜問わず暗いシーンが多すぎと感じました。暗ければ恐くなるかというとそうでもないんですよね、これが。
後半のバイオハザードかなと思わせるような演出は、そもそも恐がらせようとしてないのかなと思うレベルです。
過去最高レベルに緊張感の無い「ここは俺に任せろ」的なシーンには驚愕しました。観た人みんなが早く逃げろよってツッコミたくなるはずです。
別に恐くなくても映画として面白ければ全く問題ないわけですが、これが面白くありません。
やりたかったテーマは分からなくはないですが、全然まとめきれておらずチグハグな印象。
まあ、映画の出来がいまいちでもホラーのもう一つの醍醐味である可愛い女の子が見れればいいかなーとも思いましたが、主役の三吉彩花さんの魅力が引き出せているかというと微妙です。へっぽこ女医ぶりと、後半にチラッと見える鎖骨は良かったですが「ダンスウィズミー」の時ほど魅力は感じられませんでした。
最初の犠牲者となる大谷凛香さんはウザ可愛くて良かったです。奥菜恵さんも昔好きだったのでスクリーンで見れて良かったです。
高島礼子さんは非常に頑張ってましたね、笑いました、今作のMVPです。
女優陣で一番印象に残ったのは村人のまやちゃん役の宮野陽名ちゃんですね。すごくキレイに撮れてたと思います、今後が楽しみです。
ということで、バリバリのホラーを期待していくと完全に裏切られます。ツッコミながら観るのが正しい鑑賞方法ですね。
隣に座ってた高校生チームが終始喋ってて最初はイラッときましたが、途中からは適格なツッコミのおかげでちょっとだけ楽しく観れました。ありがとう高校生、他の映画はもう少し静かに観てね。
ぶっちゃけ、上映終了後の場内にはかなり微妙な雰囲気が漂っておりました。おそらく半分以上の観客はなんじゃこれと思っていたのでしょう、口に出さずともそう感じました。
監督の挨拶は上映後だったんですが、質問コーナーで誰かがつまらないとか、金返せとか言い出すんじゃないかとひやひやして、恐ろしい緊張感でした。本編含めて一番のホラーでした。
舞台挨拶後に監督と写真撮影してもらったんですが、三吉さんが車を運転するシーンがスクリーンプロセス風の演出になってたのは何ですかって聞いたら三吉さんが車の免許を持ってなかっただけですとのことでした。黒沢清を意識したネタかと思いましたが、違ったみたいです。結果的に不穏な感じが出てて演出的にはプラスになってましたね。
監督がパンフレットおすすめですって言ってたので買ってみましたが、確かになかなか充実した内容で満足しました。監督はすごく良い感じの人だったので次回作に期待したいと思います。
あ、忘れてたけど主題歌及びエンドロールは良かったです!
