さすがは清水崇監督。知り尽くされた題材を、正統派ジャパニーズホラーとして確立させている。正直、後半のいわゆる解決編はあんまりだったけれども、別に構わない。
小児精神科医の森田奏は、兄から、「犬鳴村へ行った彼女がおかしくなった」と相談を受ける。兄の恋人である明菜は、奇妙な歌を口ずさみながら、不気味な絵を描き続けていた。
その日から、奏の周囲で奇妙な現象が起こるようになる。原因を探る奏はそのうちに、自身の出生の秘密に向き合うことになる。
幽霊の魅せ方が好き!
正直ヤバい匂いしかしなかったので、ギリギリまで見るかどうか悩んだ。
しかしそんな危惧も杞憂だったように思う。思ってたより酷くなかった。特に前半部分、怪奇に飲まれていく奏の日常を描く部分は、これでもかと襲いくる「なんかいる!」の連続にワクワクさせられた。
ピントの合わないぼんやりした人影に、受け手はより想像力を掻き立てられるのよね。
とにかく前半は、素人投稿ものの心霊映像の如く、映り込みの嵐。正直、チープな心霊DVDが好きだから、これだけでも見る価値はある。後半は直接的な描写が増えるので、失速した感じがするけど……。
でも1番怖かったのはエンドロール。旧犬鳴トンネルって今あんなことになってんのね。
2021/07/27再鑑賞&追記
改めて見ると酷いな???なぜ私はこんなに褒めたのだろうか。