ケイスケ

犬鳴村のケイスケのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
3.5
日本でトップクラスに有名な心霊スポット“犬鳴村”。外界と隔絶され「この先、日本国憲法は通用せず」と記された看板が立てられているとのこと。レビューサイトでは点数低いけど正統派なJホラーとして充分に楽しめる出来だと思います。

臨床心理士の森田奏の周辺で奇妙な出来事が次々と起こりだし、その全てに共通するキーワードとして心霊スポットとして知られる「犬鳴トンネル」が浮上する。突然死したある女性は、最後に「トンネルを抜けた先に村があって、そこで◯◯を見た…」という言葉を残していたが女性が村で目撃したものとは一体なんだったのか。連続する不可解な出来事の真相を突き止めるため、奏は犬鳴トンネルへと向かうが…。

序盤は最近の映画らしくYouTuberのカップルが犬鳴トンネル周辺を探索する場面から始まります。こちらの男の方は三吉彩花演じる主人公・奏の兄。実際の場所では近隣住民が心霊スポットに来る人たちに迷惑してるみたいだから行くのはやめようね!しばらくすると突然恋人の明菜が謎の人物に襲われ命からがら帰宅するも、数日間明菜の様子がおかしくなってきます。

インパクト抜群な絵面は明菜が放尿しながら歌を口ずさんでユラユラ歩くところですよね。清水監督特有のイヤ〜な感じがよく出ています。あと『回路』的な幽霊ね!このタイプの幽霊描写怖くて苦手なんだよな。てか普通に何ヶ所かビクッとした。特に電波塔からの飛び降り!あの見せ方はズルいぞ。めちゃビビったわ。

よく意味がわからなかったのは中盤あたりの電話ボックスの場面。ここ3人組のうち1人が行方不明になって、残りの2人が水が溜まっていく電話ボックスに閉じ込められるんですけど、場面が変わったら行方不明になった奴まで電話ボックスで溺死してるんですよ。どゆこと?どっか見逃したか?その他にも意図がよく分からない場面が結構あるんです。こういうホラーだから!って言われればしょうがないんですけど。

後半に行くにつれちょっとSFチックになるのは好みが別れそう。まあぶっちゃけ過去の犬鳴村にタイムスリップするんですけど。血筋や部落問題の話は個人的には悪くない展開でした。ちょうど暑い毎日ですし最近レンタルが始まったので、家に居ながら犬鳴村の恐怖を体験して涼しくなるのもいいんじゃないでしょうか。