ライアン孤独な海賊王

火口のふたりのライアン孤独な海賊王のレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
3.8
『海を感じる時』を観て以来の荒井晴彦作品。

‪従兄妹同士でありながら恋愛の末にお互いの身体を重ねる快感に目覚めてしまった男女。男の結婚を機に関係を解消し、女は傷心の果てに故郷の秋田へ戻る。後に男は離婚。一人暮らしをしていたところに、かつての恋人であるいとこの妹が結婚する‬という連絡が入る。
男が結婚式参加のために早めに帰郷していると、そこにかつての恋人が尋ねてきた。結婚先の新居準備に駆り出されつつ、女の家で促され開いたアルバムにはお互いを激しく求めあった若い頃の記録写真が並んでいた。「今日だけあの頃に戻ってみない?」女の誘い言葉に最初は理性で抗おうとするものの身体の声に逆らうことはできず、結局女の夫が出張から帰ってくるまでの5日間、2人は場所を変えながら過ぎた時を取り戻すかのように性行為に没頭する。

身体の相性とはよく耳にする言葉だけど、この作品の主役2人がとにかくヤリまくる。近親相姦に極めて近い関係(いとこ同士なので法律上はなんの問題ないが、倫理的に認めたくない人たちも多いだろう)という設定もあってシチュエーション的にもエロいと言えばエロいのだけど、間に挟む日常のドライな会話や激しくやりすぎて炎症起こしちゃう描写とか思わず笑ってしまうところもあって、濡れ場の多さがあまり気にならない。瀧内公美さんのあっけらかんとした脱ぎっぷりも見事でした。

ラストの展開がちょっと斜め上過ぎてる気もするけど、身体の言い訳に正直に生きるって相手がいるならそれはそれで幸せなんだろうな。