全体的な雰囲気は邦画のSF作としては悪くはない。ただ指摘されているように広げた風呂敷は大きいが包む中身はちっちゃい…。
この辺は壮大な設定の物語をまだまだ扱いきれない邦画製作の土壌が影響しているのかも知れません。
AIどうこうよりも逃亡シーンが多く「逃亡者」的な展開。この逃亡シーンは緊迫感があって良かったと思う。
ただ他の方が指摘しているように最新の追跡システムと警察力を動員しながら何回も博士を取り逃がすというのはなんだかなぁと思います。
落とし物の件などちょっと都合が良すぎな部分も気になるところ。
AIが完璧に寄り添っているなら、落とし物も警告してくれる筈と思うのですが…。
テクノロジーの暴走は昔からある話ですし、AIの暴走ももう何回も物語になっているので新しさは感じませんでした。
現職の総理大臣の顛末やその前のシーンで黒幕とか大体想像出来てしまうのも残念なところ。
子役の子があんまり上手に感じなかったですね…。周りが上手な人が多いからかな?
芦名星さんがクールにサイバー対策犯課の捜査官を演じていました。
もうこの世にいないんですよねぇ(´;ω;`)
物語の締め方も随分と雑であれだけ壮大さを引っ張って来たのにショボかったです。しかしながら便利さと危険は隣り合わせというような警鐘を鳴らすのはこれからの時代を見据えて感慨深いしその点は良かったです。
こういう追い詰められる役と表情をさせたらピカ一の大沢たかおさんのキャスティングもハマっていたと思いますね。
脚本の薄っぺらさは気になりますが、逃亡劇や家族愛を絡めた全体の雰囲気はまあまあでSFスリラーとして普通に楽しめる作品と思います。
まとめの一言
「結局は使う側の問題」