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AI崩壊のTMCのネタバレレビュー・内容・結末

AI崩壊(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ワード的に違和感のあるタイトルや「警察庁の捜査官」等のヘンさに引っかかりつつもそれなりに期待して鑑賞。結果、あえての用法などではなく普通におかしな言語感覚と作り手の雑さがもたらしただけの事だった。作品としては日々ロックほどの怒りは沸かなかったものの面白みが出てきたかと思ったら悪い意味での邦画的演出にすぐにそれを打ち消され、の繰り返しで終わってしまった。記号なキャラとご都合主義な展開とお涙頂戴な演出。頑固ベテラン刑事と今ドキ女子刑事。奥さんの臨終場面を3回もやったり。無能すぎる特殊部隊に即断即決の全能すぎる岩ちゃんは結局勝手に自白して自爆。シンゴジラすぎな余貴美子や夢の中への漁師とか、見てて居たたまれなさすぎた。ベタやクリシェは全然いいけど「俺の好きなアレ」の稚拙な引用は見ていてきついだけ。気が利いてるね!とはならない。ロシアの“SF大作”を見た時のような脱力感。ハリウッド大作の縮小再生産はもういいよ。SRシリーズで世に出た人だが元々大作志向だったらしい。それはいいけどそれにはシンプルに実力が伴ってない。残念だけど「映画監督になりたい」が「良い作品を作りたい」を上回ってる人だったのか。リッチな画面作りを頑張る のに汲々としてて肝心のドラマが壊れてる。別に感情移入なんかする必要はないけどおかしな事しかしない奴らの事はどうでもよくなってくる。あれだけブランクあって突然ウィザード級のハッカーに変身するムキムキの研究者。義兄さんのためなら何でもする社長。感情だけで行動するのが人間らしさなのか?AIは選別した対象をどうやって殺す?全国民ナノマシン入りの世界とかじゃなければ、ペースメーカー装着者か都合よく爆弾でも壊れない部屋の中に倒れてくれてでもいない限り無理ゲー。会ったばかりの、犯人かもしれない男の娘を家族や友人よりも優先する社員たち。毎熊演じる記者は予知能力者? そもそも大沢が逃げる理由がわからない。せめて警察が信用できない描写が要るよね。とかの野暮なツッコミどころは物語が良ければ気にならないもの。またはリアリティラインの設定次第。製作費とは関係なく制作方法の問題で、やりようはいくらでもある。
これを見て映画好きになる人と嫌いになる人のどっちが多いと作り手は思ってるのか訊いてみたい。

怒りに任せて書いてしまった。消すかも。

追記。
半分は企画を通した映画会社にムカついてる。エーアイとかエグザイルとかならそこそこ入るだろってだけでゴーサイン出してるんじゃないかって疑いが。それは外れてて興収もたぶんやばい。誰得なのか。

あとタレントパワーの高い脇役が犯人って、22年目の告白と同じことやってる。あ、大沢がほんとに犯人だったら面白くなったかもしれない。
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