ひでG

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえのひでGのレビュー・感想・評価

3.7
非常に情報の質と量の多いドキュメンタリー作

正直、お家でダラダラ観るには適さない。 

きちんとチケット買って、電車に乗って、
渋谷のイメージフォーラム(そこでやっていたか知りませんか、私のイメージ😅)

だから、その情報の多さと深さを十分掴みきれなかったのは、
私の浅学のせいで、映画の正しい評価とはちょっと違うかもしれない。

とても重く、ある意味興味深いテーマが語られる。

ヒトラーたちが絵画を略奪し、それを取り返す記録がメインだ。

その模様は「黄金のアデーレ」で詳しく描かれていたので、新しい情報ではなかったが、
いかに、略奪されたものを取り返すのが難しいかが改めて分かった。

でも、この記録映画の魅力はそこではない。

ナチスが芸術作品に興味を示した意味

そこには、金銭的なこと以外に、
アーリア人の優位性を証明する為に利用されてきたこと。

それに従って、芸術作品を供給したり、手助けしたりした人々は、
お金を得るためにそれらに加担していったこと。

一番、興味深かったことは、
アーリア人の素晴らしさを広める絵画展と同時に、

退廃作品展と銘打って、先進的な作品などの作品展も開いていたこと。

そして、その作品群と障害者をリンクさせたり、ユダヤ人を中傷したりしていたこと

そう、ナチスは明らかに意図的に芸術を
操作しようとしていたのだ。

タイトル名のピカソはいつ出てくるんだ?
と、思っていたが、

来た!ラストの言葉

そうだ!そうなんだ!

芸術家は、芸術を持って闘わないといけない!

ナチスほどではないにしろ、為政者は
学問や芸術さえも我が物にしようとする傾向がある。

学問や芸術も闘わないと、守っていけないのだ!
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