監督:カルロス・ベルムト
音楽:Alberto Iglesias
【劇伴曲】
Alberto Iglesias - Quién te cantará, Pt. 1~Pt. 4
長く伸ばした木管(ファゴットかな?)を主題にして笙・オルガンと少し高めの音域と低域の声楽がハモったり追っかけたり、木琴・鉄琴などで緩急をつけている。Pt1~4の35分ほどの曲に主題がかなり繰り返す。劇中の人物の関係をパート別に表しているように思う。
監督のコメントでサウンドトラックについて記事があり、参考にしたのは60年代ロジャー・コーマン、黒沢明、オリヴィエ・メシアンだそうだ。
たぶんに憶測だけどメシアンの「鳥たちの深淵 」と「雅楽」に近い気がする。
【挿入曲】
ほぼ劇中に歌詞があるので気になったのを数曲抜粋。
・Francisco Tarrega-Endecha
クラシックギターを弾く屈強そうな軍人、それを囲んでうっとり聞いてる軍人のシーン、タレガの挽歌。なんだろ似つかわしくないとか非対称とかなのかな?違和感はある。
・Kevin Energy Remix-Heaven's Touch
ヴィオレタの娘のときにかかるハッピーハードコア、その名の通り筋金入りの幸せ。精神状態か何かのドラッグか正反対の状況なのか、どっちだろー。
本作はリタを模倣するヴィオレタに、リリ(リラの母)の記憶が埋まり心身ともにリラになったり、マルタとビアンカの音楽でお金を稼ぐっていうところから離れた状態になって、リラとヴィオレタの共作なのか完コピなのかマリアージュなのかわからないのだけど、音楽の捧げものみたいなミューズが出てきて、ものすごい歌謡曲になるっていうお話なのかな?。まだ理解の届かない点や見逃しがあるのかもしれないけど、凝りに凝った映画と音楽をじっくり観賞しているとシャネルの靴とドレスを着て浜辺に佇みたくなるよね。