てるる

シークレット・ヴォイスのてるるのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
4.2
未体験ゾーン2018作品。

これは映画館に行っとけば良かったと後悔。
そもそも同監督の「マジカルガール」がハマったので、その時点で観に行くべきだったわ…。

「マジカルガール」のような驚きの展開のような衝撃の展開は無く、割とストレートな話だけど深い。
色々なところに伏線だったりメタファーが仕込まれてて、たぶん何回か観て初めて気付くところもあるんだろうな。

それに歌も凄く良い。
元国民的スターのリラが歌う少しサイケで浮遊感ただよう曲が好き。
そしてクライマックスで歌いあげるヴィオレッタからのリラへ変化していくシーンは圧巻。
巻き戻してもう1回観てしまったわ。

衝撃的といえば、ヴィオレッタの娘がヤバい。
ワガママを通り越したイカれっぷりが不快なんだけど、なぜか時折素直な表情を見せる。

よく考えると、娘がヒステリックになる時って母親が自分以外の人に目がいってしまった時なんじゃないか(朝帰りとかリラのこととか)。
独占欲からくる癇癪。
自分のために朝ご飯を作る母を見る時の優しい眼差しが忘れられない。
だからこそ見放された時には…。

マジカルガールの時点で日本文化ダイスキ宣言してた監督。
前作の魔法少女のようにストレートな日本好きアピールはないけど、折り紙を使ったメタファーが印象的。
船から鶴へ。
模倣からオリジナルへ羽ばたく時。

この監督の次回作は絶対に映画館行こう。
てるる

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