ジャイロ

108時間のジャイロのレビュー・感想・評価

108時間(2018年製作の映画)
4.0
きみが寝坊したのは体が睡眠を欲していたからだろう。休むことはいいことだ

ミギーも言ってました。

もっとね、眠い眠い眠いムキー!!!みたいな展開を期待してました。だってそうでしょう?完徹4日目突破なんて経験したことがない。いくら旧世代のSEでもせいぜい3日がいいとこなんです。それ以降は未体験ゾーンなわけで。そんなゾーンを観にきたわけで。

斜め上からきた。

なんかね、ベレンルエダが出てきたから一筋縄じゃいかない気はしてました。私の中では怪演という言葉が最も相応しい女優さん。対抗できる女優さんはそうだな…シガニーウィバーとジョントラボルタぐらい。

主人公を演じるエバデドミニシもいい味でてました。髪型でこんなにも印象が変わるんですね。ショートがいいと思いますよ。ショートが。

物語はのっけから切ない

ああ、それでもお父さんは娘を愛している

そして『おおぐま座』

なんて不吉な舞台演劇

決して扉を開けてはいけない

でも開けちゃうんだなぁこの子。私だったら布団にダッシュしてました。扉開けない。絶対。

その扉の向こう側にあるホラー。更にその先のずっと奥の方には、愛がありました。

ぐっときた。

泣きそうになった。

その辛さがわかる気がして哀しくて、ついつい目頭が熱くなったんですが、ラストの展開がすごすぎて涙が引っ込みました。気付けば口をあんぐり開けて観てました。ここで終わりなのか~からのひっくり返して更に裏返す。覆水も盆に返る勢い。そういうこと?なるほどなるほど。やりすぎ。でも面白い。

ベレンルエダが出てたからって訳ではないけど『永遠のこどもたち』『ロストボディ』みたいな感じ。ホラーテイストサスペンスでした。少し『レベッカ』の匂いも漂わせつつのJAバヨナみたいなこの映画、こういうの好きなんです。

欲を言えば、やっぱりもっと眠そうにして欲しかったなぁ。60時間超えたらあんなんじゃいられないからね実際。変な汗、出るからね実際

扉開けずに体が欲するままに、布団にくるまって寝てしまいましょうってことです。ミギーもそう言ってました。おやすみなさい。