kyoko

ハイエナたちの報酬 絶望の一夜のkyokoのレビュー・感想・評価

3.3
フランスの港町ル・アーヴルで暮らす兄妹エリックとアレックス、その友人のダニスの三人はいわゆる底辺にいる若者たち。「あ~あ、サッカーくじ当たらないかなあ」とずんの飯尾さんばりに一攫千金を夢見るも、実際は借金に追われる毎日を送っている。

ある日、妹アレックスは地元の政治家がマフィアの麻薬密輸に絡む賄賂を受け取ったことを偶然知り、その強奪計画を立てる三人。

賄賂って分かってから決行まで早っ。ていうかあれ賄賂かも!って直感して尾行して屋敷の塀超えて確認する勘の良さと度胸があるなら、もっとまともな方法で成り上がれるんじゃなかろうかとも思うが。

強奪現場では思わぬ事態に遭遇するも、人がいいんだか悪いんだかよく分からない展開で結構さらっとお金が手に入る。
そこでやめときゃいいものの、欲を掻いたバカ兄貴のせいで負のスパイラルがスタート。

いろいろと雑というか、んなあほな的な展開が多いけど、妻に先立たれて子どものおむつもろくに買えないダニスの不運さにちょっと同情するし、ラストの寒々しい風景と彼のなんとも言えない表情には切なくなった。

鑑賞の目当てだったブノワ・マジメルが、かなり終盤になるまでどれだか分からないという悲劇に見舞われた(えっと、殺し屋で合ってるよね?)

ラストカットが実にシュール。
kyoko

kyoko