海猫

野性の呼び声の海猫のレビュー・感想・評価

野性の呼び声(2020年製作の映画)
3.5
あまり期待せず見たら、100分で手堅くまとまった佳作だった。飼われていた大型犬バックが運命の変転を経て、野性に生きるまでを描く。動物をCGで作っているようで、特に主役のバックが犬にしては表情豊か過ぎるのが最初、気にはなった。が、だんだん慣れてきたし、犬が主体のドラマ展開なのでキャラクターとして感情がわかりやすいのはエモーショナルでもある。特にバックは主に飼い犬から橇犬、野性犬と立ち位置が変わるごとに成長するので、顔つきの変化にメリハリが有って良い。まず橇で疾走する場面のスピード感が気持ち良く、このあたりから気分が乗ってきた。動物映画としても、これはやってほしいを押さえてくるのが、痒いところに手が届く感じがする。橇犬のボス争いや、犬が人間を危機から助けてくれるなど。後半の大自然を背景にハリソン・フォードと交流する様は、悠々たる雰囲気がある。ちょっと思うのは動物映画ながらも出てくる動物はCGだったり、自然描写も美しいがこれもおそらくはCGで作ってる場面が多そう。「名探偵ピカチュウ」を見たときにも感じたが、3DCGアニメと実写映画の境い目ってどんどん無くなってる気がした。それが駄目ってことではまったくなくて、表現の可能性が広がってより面白い作品が増えるのは良いことだと思う。というわけでこの「野性の呼び声」も面白く見た。ジャック・ロンドンの原作小説も読んでみよう。
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