TAK44マグナム

Z Bull ゼット・ブルのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Z Bull ゼット・ブル(2018年製作の映画)
4.4
レッドブルならぬゼットブル!


主演が「キング・オブ・エジプト」のブレントン・スウェイツ!悪役に「シャザム!」のザカリー・リーヴァイ!
その他、「デッドプール」の愉快なタクシー運ちゃん役でお馴染みのカラン・ソニなどが出演。
何気に通で豪華なキャスティングの、社畜大逆襲ホラー。

原題は「オフィス・アップライジング」。だけど邦題は「ゼットブル」。
これ、担当した方は「オレ(わたし)って天才的なセンス!」と思いついた時に思ったに違いありません。
確かに、中学生が喜びそうなシャレたタイトル。
勿論、我がマグナム脳も喜びましたよ!

内容的には、最近、似たような題材が多くて、ジェームズ・ガンが製作した「サラリーマンバトルロワイアル」では会社員たちが殺し合いを無理強いさせられ、「ウォーキングデッド」のスティーヴン・ユアンが主演の「ゼットインク」はストレスが溜まりに溜まった会社員たちがウィルス感染で自分に正直になりすぎて凶暴化するという内容でしたが、本作は毒々エナジードリンクを飲んだ会社員たちのヤル気が倍増しすぎて凶暴化するという大変健康的な内容となっております。
因みにこの三作品とも、ビルに閉じ込められた閉鎖空間内での攻防というシチュエーションも似ていますね。
まぁ、そのシチュエーション自体はホラーの定番でありまして、社畜が反旗をひるがえすのは、それがいかに今ウケるテーマなのだということなのでしょう。


大小様々な兵器開発・販売を生業とするテキサス魂あふれるアモテック社。
そこの経理部に勤めるデズモンドは遅刻常習者で勤務時間中にゲームアプリをつくっている、絵に描いたようなボンクラ社員。
他の会社との合併に伴ったリストラの嵐が吹く中、飄々としているデズモンドの周辺では職を失って途方に暮れる同僚もいた。
そんな頃、まったく新しいコンセプトの商品が完成。
それこそ、兵士の士気を高めるエナジードリンク「ゾルト」であった。
ゾルトの試飲も兼ねた社員全員参加の会合中に1人抜け出したデズモンドが翌日出社すると、社内の様子がどうもおかしい。
実は、ゾルト飲用の副作用で凶暴化した社員たちが殺しあっていたのだ。
デズモンドの幼馴染であるサラも半分ほど飲んでしまい、デズモンドに襲いかかる。
なんとかサラを動けないようにしたデズモンドは、数人のゾルト未飲用の仲間たちと共に、緊急事態で要塞化したビルから脱出しようとするのだが・・・


軍需産業なので、自社ビルのそこら中に銃器や爆弾が置いてある。
これは説得力のある設定ですね!
そんななので終盤ともなると武器には困らず、キチガイと化した同僚たちを問答無用で殺戮祭りです
(苦笑)。
ここは明確に類似作品と違うところで、他の二作は銃器はあっても数に制限がかなりあったり、会社の備品を武器にしたりと、普通の会社が舞台ならではの工夫があったのですが、本作は武器が普通にある状況設定にして、派手なバトルを楽しむようになっています。その最もたるものがラストに登場するパワードスーツ(苦笑)!
デザインこそオモチャみたいですけれど、マシンガンやミサイルまで装備する本格仕様。
こんなものが平気で登場するあたり、本作がデタラメな娯楽志向だということが明確ですね。
しかも狂ったザカリー・リーヴァイが、ウヒョヒョ〜と乗りこみますよ。
このパワードスーツが暴れるクライマックスはマジにバカで最高でした!
エネルギー源が有機物で、その理由もアホっぽい理屈でよろしい。


経理部と宣伝部がマウントとりあったり、女子社員ならではの対処法がアホらしかったり、社長たちが立て籠もっている最上階のセキュリティがザルだったり、残酷描写を良い按配で絡めながらバカバカしいギャグを放ってきて侮れません。
一部のセリフもキレがある。
主にバカ方面のキレですけれど。

主人公がボンクラな割には段々とマトモなヒーローになってゆくのも(コメディとしては半端かもしれませんが)、やはり主人公にはシャンとして欲しいので良かったのでは。
意外と強いんですよね、デズモンドくん。
一発しか無い弾丸で複数の社畜ゾンビ蹴散らしますからね。
頼りになる男だったんですよ。
道路ではリアルマリオカートやっているようなあんちゃんでしたけれど!

深いことを何も考えなければ、適度にグロくて適度に笑える、適度にオススメな一作。
仕事で疲れたブヨブヨの脳みそにピッタリです。


アマゾンプライムビデオにて