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タンク・ソルジャー 重戦車KV-1のkapivaraのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画の良いところは、KV-1という戦車にスポットが当てられている以外にありません。
戦車モノの映画は以前から好きで、有名な『フューリー』や『T-34レジェンドオブウォー』『鬼戦車T-34』『ザ・フューリー』などなど、色々な戦車映画を観てきました。
こういった戦争モノの映画はよく「プロパガンダが~」だとか文句を垂れる人が居ますが、そういう人は映画を視聴する事自体向いていません。
アベンジャーズでも観とけば良い。

そういう見解を持ってこの映画を評価させてもらっても、控えめに言っても「つまらん映画」の一言です。

冒頭にも記載したとおりKV-1という戦車マニアや某戦車ゲームをやっていなければ絶対わからないようなレア物の戦車を題材に引っ張ってくるということでメチャクチャ観たい映画のひとつでした。
べつにB級映画でもなんでもいいし、動くKV-1が見れればそれでも良いと…そう思っていたときが自分にもありました。

●登場人物の背景やバックストーリーが語られない
まず観始めてこれが一番最初に思った事。
乗員たちの過去やどんな人物かだとかも語られないし、何なら車長である主人公と整備士の嫁さんの関係性くらいしか登場人物の相関図がわからない。本当に何もわからない。
だから映画に感情移入もクソもなかったです。

●戦車を題材にした映画なのに戦車のシーンが少ない
これが何よりの不満。M4シャーマンやT-34ならいざしらず、KV-1という戦車を題材にしてるくせに話の半分は、背景やバックストーリーが何も説明されていないロシア人たちの「それっぽい」会話を観させられてるだけです。
はっきりいって視聴してから1週間も経ってませんが登場人物の名前を誰一人として覚えていませんし、感情移入もないです。

●俳優の体型
エキストラやモブ兵士ならともかく、主役であるKV-1に登場する兵士がブクブクに太った俳優?を起用していることが何より不満。
戦時中の極寒の冬の大地で食料も限られてるだろうに、なぜわざわざ丸々太った俳優を起用するのか? こいつのせいで戦争の緊張感やリアリティが全く感じられません。名前は忘れました。

●話のこじつけ
主役である車長の嫁である女が整備士として戦場に登場し、幾度となく問題が起こるKV-1を修理しては戦場に引っ張り出そうとしてます。
どうしてそこまでしてKV-1を前線に出したがるの?
壊れて乗れない?それなら横で余ってるT-34に乗ればいいじゃん…と突っ込みたくなる始末。
つまるところ、「わざわざKV-1にこだわる理由付け」がよくわからない。
話を見る限りだと、戦車兵である旦那を戦車に乗せて戦場へ送り出してやりたい!という心情なのでしょうが、どうしてKV-1なのか?
その旦那である車長や乗員共々「KV-1がいい」とか「この車両じゃなきゃダメ」みたいな愛着心があるような描写も無かったように思います。

●圧倒的なリアリティの無さ
まずひとつだけ褒めておくなら、歩兵戦の部分は戦争な無情さを少しながら感じられたので良かったです。
だが戦車戦はてんでダメ
まずはじめに思ったのが、KV-1の車内を映すカメラなのですが、異様に広々に感じられた。さすがに重戦車といえどもう少し狭いんじゃないの?

あー、それで戦車戦なんですが、印象に残ったのがラストの戦闘。
相手は長砲身の75mm砲を搭載した4号戦車が10両くらいでKV-1に襲いかかります。
ここはマダ許せる
だが主人公補正でことごとく500m前後で砲撃し合うなか、4号の弾は一切貫通も当たりもしないのに、短砲身でしかも行進間射撃でバスバス弾を当てていくKV-1。
映画は静かに見たい派ですがさすがに「イヤイヤイヤイヤw」と言いたくなるほどのお粗末さ。

それでなんか生き残って最後は英雄ダー!ヤッター!ウラー!で終わり。

数々の戦争映画、戦車映画を観てきた自分ですが、この映画は正直つまらなかった。
戦車マニアであれば一見しても良いと思うが、見る価値はそこまでない…と思う
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