chip

クーリエ:最高機密の運び屋のchipのレビュー・感想・評価

4.0
CIAやMI6、KGBなどの用語が飛び交っていた、
重厚なスパイものかと思っていたけれど…
何よりこれは、二人の男たちの、
国を超えた友情の物語だと思います。
とても良かったです!


時は1962年、米露冷戦時代
ロシアの機密情報を運ぶことになったイギリス人グレヴィル、
彼は普通のセールスマン、
カンバーバッチがお腹も出てきた中年男を演じる。
ロシア人の官僚オレグから受け取った情報を運ぶうちに
次第に神経質に変わっていく…
誰から監視されているかわからない、
飛行機に乗るまで、
いや乗ってからも、
一時も油断できない緊迫感で
観ていても息苦しくなるほどでした。

オレグは
ただただ世界平和を願っていた、
家族と平和に暮らしたいと願い
核戦争を阻止しようと思っていただけ…
それでも裏切り者になってしまう。。

CIAもMI6も、
「プロなら人を切り捨てる」
と言っていました、
身の安全と国のことだけ考えろと。
でもグレヴィルは言った、
「僕は彼を切り捨てない」
2年近くロシアの拘置所で拷問を受けた彼は、頬がこけて別人のよう、カンバーバッチの痩せた背中にビックリしました!
拘置所でのオレグとの再会シーンには、涙ボロボロでした。
痩せこけた二人とも、互いを守っていたから。。


派手なアクションも演出もないけれど…
友情、家族愛と…
最後まで惹きつけられた良質な人間ドラマでした。
実話ベースなんですね~
彼らがいなかったら、キューバ危機を抑えられずに核戦争が起こったかもしれない..
隠れたヒーローたちです。
chip

chip