ロビン

クーリエ:最高機密の運び屋のロビンのレビュー・感想・評価

4.0
予想を上回り劇場で観て本当に良かったと思う秀作。
“007シリーズ”や“ミッション・インポッシブル”等のスパイ映画のような派手さはないけれど、実話ベースだけあってリアリティを感じる怖さや緊迫感、そして緻密さが感じられて一瞬たりともスクリーンから目が離せなかった。

まず主人公のグレヴィルとソ連側の情報提供者であるペンコフスキー(アレックス)二人の存在がなかったら第三次世界大戦(核戦争)が勃発していたかもしれない。
それを回避できたのはあの二人のおかげ
でありもっと讃えられるべき二人。
この作品を観るまでこの二人の存在をまるで知らなかったことが恥ずかしくなった。
命懸けで世界を核戦争から救ったペンコフスキーは、ノーベル平和賞を受賞するに値すると思う。

かなり印象的なシーンは、二度目のバレエシーン。
白鳥の湖は悪い魔法使いに、白鳥に姿を変えられてしまったお姫様を王子様が助け出すストーリー。
それを観ていて完全に没入して、涙流しながら引くぐらいの顔で見入っているグレヴィルは、命を掛けてアレックスを助け出す自分の現状と舞台とを重ねているのかなと思った。

そして終盤のあるシーンから涙が止まらなかった。。


【ネタバレ】
  ↓



終盤のガリガリに痩せてアウシュビッツ強制収容所に収容されているような、カンバーバッチの変わりようは「マシニスト」のクリスチャン・ベイルを思わせるようで驚愕した。
そして収容所でグレヴィルとアレックスが再会した二人のシーンからはずーと涙が止まらない。。

最後にグレヴィル本人のインタビューが流れる。
長い間収容所生活していてやっと開放されてあんなインタビューの回答ができるとは、これまた驚愕してしまった
彼は「またセールスの仕事がしたい」と答えたのだ。
ヘタなCIAやMI6のスパイより強靭な精神力の持ち主なのは間違いない。
ロビン

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