デニロ

童年往事 時の流れのデニロのレビュー・感想・評価

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)
3.0
1985年製作。脚本朱天文、侯孝賢。侯孝賢監督作品。

侯孝賢自らの幼い頃の記憶を映像化したのかとも思うけれど、彼特有の遠景撮影はここからすでに始まっているのかと思う。全体を見ながらもどこかあやふやで、取り留めのない日常を描く手法として選択したのだろうか。

そして本作の後にもしばしば描かれる台湾と大陸との関係。日本ではある日を境に中華民国が台湾になり、中共が中国になった。これを国際政治力学とでもいうのだろうか。本作では主人公のお祖母ちゃんの大陸への望郷の念が作品全体を覆っているのだが、それは今もあるのだろうか。それとも、いや、それはその国の為政者を選択する国民の思案だ。

さてわたしは、辛樹芬(シン・シューフェン)を見つけてきたというだけで侯孝賢という人を評価いたします。

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