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童年往事 時の流れの一人旅のレビュー・感想・評価

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)
4.0
ホウ・シャオシェン監督作。

中国本土から台湾に移住した家族の日常を描いた作品。

台湾の近代史を振り返るというよりは、息子阿孝の少年期から青年期までの出来事を中心に描いている。
台湾は日本に統治されていた影響もあって、町の風景が日本の田舎町を彷彿とさせる。映像だけ見れば日本映画と勘違いしてしまいそうだ。
その中で特に印象的だったのは、一家が住む家が非常に日本的であったこと。ふすま、畳、障子、縁側のある純和風の家だ。日本的ではあるが、一方で台湾らしさはまるで感じられない。日本による統治終焉後、今度は本土から中国人(外省人)の台湾への移住が始まってしまった。台湾独自の文化が形成される暇なく外部によって支配され続ける悲劇。“台湾”と聞いて具体的イメージやワードがパッと浮かびにくいのはそうした歴史的背景が関係しているのかもしれない。
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