umihayato

T-34 ナチスが恐れた最強戦車のumihayatoのレビュー・感想・評価

5.0
さすがロシア製作。ロシア文化省や軍事史協会が協賛の今日日なかなかメインストリーム映画では拝めない、軍国教育的国策臭!

こうやって簡単に「個々人」の行いの美しさや感情と「公」とを混同させていく様。
つまり、動機は「軍事的利益や国の理想の為」と言うことにも関わらず、そこをすっ飛ばして、道中に発生する個人の感動や自己犠牲云々を、フィクションを用いてあたかも個人が内発したものとして(現実には個人の感情はもちろん尊重すべきだが)美徳化して見せる国策手法というのがよくわかる。
女性技師がダメ押しでもついてける訳ないフィクション色恋はじめ、気持ち良いくらい全くもって反戦的な描写もなく自慢で終わるのは清々しい(笑
いくらその歴史に感動しても称賛しても、それ戦車や。戦争の為の道具やで。

んでそんな作品はどこの国でもあります。
アメリカの戦争映画でも、近年に割と大々的に公開されヒットした日本の戦争映画でも考えてみれば思い当たる節があるかと。

そう言った意味でも「はえーこんな自然な感じで教育されてくんやな」と気づく為に見るのも一興かと思います。

しかしこれがまたエンタメ映画としてかなり良作で普通に楽しい映画なのが困ったもんで、BGM含めてめっちゃダサいミリオタ感が最高。
映像も凄く綺麗だし、雄大な土地を昼夜戦車が走り回る画は、単純にかっこいい。
ちゃんとコメディしてるし、キャラ立ちもあり、アツい仲間感あり、ラブコメもありと。
終始ニヤニヤ楽しくみさせてもらいました。

割と滑稽な感じに描いてるくせに、ラストはバリバリに称賛してる感じ、どういうマインドなのだろう(笑
もはや高度に検閲をすり抜けた反戦反軍国作品であってくれ!
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