ピンピンピン

マッスル 踊る稲妻のピンピンピンのネタバレレビュー・内容・結末

マッスル 踊る稲妻(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題は「マッスル 踊る稲妻」ですが、現代は「I」といいパッケージもかなり異なります
邦題からはマッチョマンのコメディ映画と思わせておいて中身はサスペンス映画。主人公の復讐劇です
復讐劇が好きな方には痛快に感じるかと思いますし、一応ハッピーエンドです


<ここからネタバレ>
主人公リンゲーサンはボディービルの頂点を目指して毎日トレーニングに励んでいる
彼の楽しみは人気女性モデルのディアーが出演するCMを見たり彼女の広告の製品を買うこと
ジムで親友におちょくられつつも信頼するパトロンの医師にボディービルの大会の費用などを出してもらい、楽しく暮らしている

そして現れる謎の醜い老人男性…
老人男性は黒い服で暗闇に身を隠し、屈強な男ラヴィに油をかけて焼き払う


(ここらから前後が曖昧です…)
ある日親友にディアーの警備役の仕事があると紹介され憧れのディアーと対面する
憧れのディアーに対面したリンゲーサンは自分の名刺を渡す
名詞を渡されたディアーは控室のバス車内で同じくトップモデル男性のジョンに肉体関係を迫られ、枕営業は嫌だとそれを断る

ボディービルの地区大会に参加したリンゲーサン
そこで優勝候補のラヴィとその仲間たちに肉体美を認められ、大会で優勝して警察官になりたいラヴィはリンゲーサンに辞退しろ!と詰め寄る
しかしリンゲーサンも一歩も引かず、ラヴィとその仲間たちと喧嘩になる
地区大会ではリンゲーサンが優勝し、ラヴィは公務員への夢を断たれてしまう
リンゲーサンはボディービルダーが愛用する製品の広告モデルをしたり、選手として誇らしい仕事をいくつかする

ジョンへの枕営業を断ったディアーはジョンにコンビ解消を言い渡され、間近に控えていた香水のCMが失敗したらモデル生命が断たれる事を告げられる
困ったディアーはリンゲーサンから渡された名刺を思い出し、彼のパトロンである叔父の医師と共にリンゲーサンにモデルをお願いしに行く
憧れのディアーに涙ながらに頼まれたリンゲーサン、しかしそのCM撮影はリンゲーサンが長年夢見ていたボディービルのインド大会の時期と被っていた
親友にディアーの力になる様にアドバイスをされ自分の夢よりも彼女の夢を優先する事にする

貧困街で育ったリンゲーサンは肉体美以外モデルとしての素養はゼロ
リンゲーサンをモデルにする為にディアーはMtF(いわゆるオカマ)のトップスタイリストのオズマに彼を変身させる
オズマはリンゲーサンを一目で気に入り、アプローチを開始する

ワイルドな雰囲気をまとった謎の新人モデル・リーとなったリンゲーサンはディアーと中国に撮影に行く
うまく演技ができない彼に対し、ディアーは恋に落ちたと嘘をつく
その言葉をまにうけたリンゲーサンはうまく演技をするが、オズマにあれは芸能界によくある嘘だと告げられ傷つく
傷ついたリンゲーサンを優しく慰めるオズマ
そこに謎の中国人の不良の集団が現れ、リンゲーサンは圧勝する
その様子を見たディアーはリンゲーサンに本当に恋をし、2人は恋人同士になりオズマは失恋してしまった

香水のCMは大成功!
大富豪の社長は2人を全ての広告に起用する様に指示し、それまでトップモデルだったジョンは不本意な仕事をせざるを得ない状況に
トップモデルかつボディービルダーのリンゲーサンは社長の製品に対して悪い成分が入っているとインタビューに答え、社長にCMに出ないと話す
公私共にパートナーとなったリンゲーサンとディアーは結婚する事を社長、医師、オズマ、ジョンに伝える

ディアーはリンゲーサンを山奥の人のいない所に連れて行き、ここを中国ロケの花畑の様にして週末は2人で過ごすの…と家を買った事をリンゲーサンに夢を伝える
そんな公私共に幸せの絶頂期のリンゲーサンはある日謎の集団に襲われてしまうも一命を取り留める

結婚式を控えたリンゲーサンはブラッシングをしていたら髪の毛が大量に抜け落ち、信頼している医師に相談に行く
医師から先天性の病気で治す方法が無いと告げられ、髪の毛だけではなく皮膚にもたくさんのコブができてすっかり醜い老人の姿になってしまう
そう、冒頭でラヴィを焼き払った不気味な老人はリンゲーサンだった
醜い老人の姿になってしまったリンゲーサンはディアーだけでも自分の現状を知って欲しいと会いに行くが、姿が変わってしまった事に気付かないディアーは物乞いだと勘違いしてお金を渡して立ち去る。絶望するリンゲーサン…
ひょんな事から親友に信頼している医師とは別の博士を紹介され、血液検査を受けるリンゲーサン

醜い老人になってしまったリンゲーサンはある日ラヴィがお酒を持ってどこかの部屋に行くのを見かける
尾行して着いた部屋にはラヴィ、オズマ、ジョン、社長がいた
ラヴィに酷い暴行を受けるリンゲーサン
ラヴィの暴行をその場にいる人間に訴えたところ、リンゲーサンを醜い姿にした黒幕は信頼していた医師だと真実を告げられる
何と医師は10歳の姪っ子ディアーの下着を持って帰る様なロリコン変態キモ男だったのだ!
(ここが1番キモいです)

ラヴィはボディービルの大会で喧嘩したこと、オズマは失恋した事、ジョンはトップモデルの座を奪われた事、社長は自社製品の悪いところを暴かれたこと、そして医師はディアーに近づく男は皆叩きのめす!とリンゲーサンが破滅すれば良いという気持ちを持っていた為に結託し、リンゲーサンを陥れたのだった
実はリンゲーサンは一般的には手に入れられないインフルエンザウイルスを注射されて醜い姿に変えられていた

復讐心に火のついたリンゲーサン
自分と似た体型の男の遺体を手に入れて事故死を装い社会的にリンゲーサンを殺す
ディアーを守る為に「リーのお古の女」として医師と結婚させられそうになっているディアーを連れ去る
醜い老人になったリンゲーサンに気づかないディアーは監禁された先で老人が自分の好きな食べ物や好きな色の服を出す事を不思議に思う
機転をきかせて老人を襲うディアー
老人の持つスマートフォンがリンゲーサンのものだとわかり、彼を殺したのか!?と問い詰めるも老人がリンゲーサン本人だと気付く

何かを決意した様に車を暴走させるディアー
リンゲーサンはディアーが自分と自殺するのではないか?と焦って車を止めようとするが、ある場所に着く
そこは結婚する前にディアーが買った山奥の花畑の中に2人だけが住める小さな家だった
まるで初めて2人で訪れた中国ロケの花畑の様に美しい風景


復讐劇は短くまとめると
・ラヴィ火だるま
・社長大量の蜜蜂に刺されてパンパン
・オズマ毛むくじゃら
・ジョンこんがりフライ
・ロリコン医師象化
これらを親友が記者を装って病室に行き「破滅への道という特集号です!編集長はリンゲーサン!」と言ってまわる
ロリコン医師はリンゲーサンが打たれたインフルエンザウイルスを5本分も「自分で打った」事を知り絶望エンド

ラストにて
美しい風景の中の家に訪れる博士
ディアーにリンゲーサンの治癒の可能性を指導する
2人きりの結婚生活を楽しむ2人
徐々に元の身体を取り戻していく過程でマッスルポーズをとったリンゲーサンの笑顔で終わり


私にとって非常に良い映画でした
純朴な青年のリンゲーサンが憧れのディアーに恋に落ちたと嘘をつかれても決して彼女を傷つける様な言動はせず尊重し、ディアーはディアーで彼に恋してからとても一途
主人公リンゲーサンに感情移入して見ると自分の夢より大切にしたい女性がディアーだった…なのに…とか複雑な気持ちになって泣いてしまいました
また親友が最初から最後まで本当に良いヤツで、この様な友達が私の人生にいてくれたらな…とも思いました