Yoshishun

リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様のYoshishunのレビュー・感想・評価

4.0
名作で駄作、怪作で珍作。
「俺様の作品に酔いしれな」と許斐剛先生が胸を張って言えそうなトンデモ作品。

なお、テニス自体は経験があるものの原作未読かつアニメも数話チラ見した程度であり、いつも何かしら故障している手塚率いる青学メンバー、ははーんな跡部率いる氷帝、あとはテニスという名の殺し合いをしているという位の知識しかない。
そんなほぼ初見の状態で観てみたが、シンプルな内容なのに極めて言語化が難しい。

ふとした拍子に主人公・リョーマと、ヒロイン枠のような同級生・竜崎が、まだ父が現役時代のアメリカにタイムスリップする、というテニスも何も関係無さそうなストーリーである。タイムスリップのツールとなるのがテニスボールという事ぐらいで、原理などは一切不明のまま。しかも元の時間軸にいる手塚部長と電話連絡は出来るという謎設定(電話越しに歌い出す部長が怖過ぎて爆笑するしかなかった)も存在し、リョーマと竜崎以外のほぼ全員がタイムスリップへの理解力があるのも可笑しすぎる。

本来、映画の作り込みとして甘いとされながら、手塚の言う通り、テニスが全てを解決する。テニスするか、歌って踊れば取り敢えず上手くいくのである。細かいことは考えず、目の前の異常現象をただ眺めていくだけでも、原作ファンなら堪らないサービスシーンや驚きの展開に満足感は得られる。
さすがに本編終了後の特別映像は映画というよりYouTube映像を観ているようでしつこく感じたが、ほぼ初見勢でもツッコミながら楽しめた。
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